企業の健康状態は決算情報で分かる
決算短信で前年比や現金収入をチェック
お買い得な株を探したいなら、企業の健康状態ともいえる財務状況を決算短信で確認しましょう。決算短信はいくら儲けたかが記載された「損益計算書」、いくら財産を保有しているかを表す「貸借対照表」、どう現金が動いたかが分かる「キャッシュ・フロー計算書」の3種類の決算情報が記載されています。
決算情報は何か1つを見れば完璧というものではなく、複数の情報について、前年からの成長度をチェックすることが大切です。企業の商品やサービスを提供して得られた売上金額の合計を示す売上高、売上高から仕入れ費用や人件費を差し引いた本業の儲けを示す営業利益、税金面などさまざまな損益を計算した最終的な企業の利益を示す当期純利益が代表的な項目です。これらは決算短信の1ページめに記載されています。
しかし、営業利益や当期純利益は「会計上の利益」で、これらは現金収支とずれることがよくあります。中には「現金収入がないのに会計上の利益を見せかける」粉飾会計などが行われることもあります。こういったリスクを避けるために、筆者は会計上の利益に対して、現金の収支が十分にあるかどうかを確認します。重視するのは本業でいくら現金を稼いだかを示す営業キャッシュ・フローで、決算短信でも確認できます。目安は営業キャッシュ・フロー>営業利益×0.7で、営業キャッシュ・フローの方が大きければ安心です。
売上高や営業利益の前期比を見るだけでなく、現金収支(キャッシュ・フロー)についてもチェックしておきましょう。キャッシュ・フローの項目の中でも、上記のとおり営業活動によるキャッシュ・フローを重視します。現金残高が増えていても、借入金で増えているなら財務状態は健全とはいえません。営業利益と比較して、現金収支の内訳を確認します。
中原 良太
個人投資家、トレーダー、ブロガー、YouTuber
※本連載は投資を必ずしも推奨するものではありません。お申込みにあたってはご自身で判断ください。不利益が出た際には一切の責任を負いかねます。
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