賢い人が“あえて税金を納める”ワケ
また、贈与額も毎年110万円と固定するのではなく、そのときの財産状況などによりあえて変動させることをおすすめします。
贈与税の最高税率は相続税と同じ55%と高額です。一方、基礎控除110万円を除いた課税価格が200万円以下の場合の贈与税率は10%と、かなり低く抑えられます。
■310万円の贈与の場合
310万円-基礎控除110万円=200万円×10%=贈与税額20万円
■200万円の贈与の場合
200万円-基礎控除110万円=90万円×10%=贈与税額9万円
上記のように、110万円を超えても課税価格が200万円以内であれば比較的低い贈与税額で済むことから、非課税枠の110万円にこだわりすぎず、贈与税の申告と納税を行うことも検討してもよいでしょう。
生前贈与の“うっかりミス”に要注意
今回紹介したAさんのように、契約書まで作成して万全の対策をしたつもりであっても、その方法によってはそれまでの苦労が水の泡になってしまうことがあります。実際、今回のようなケースの相談を受けたことは1度や2度ではありません。
生前贈与を行う際は、専門家等に相談のうえ、またその後に独自で判断することは可能な限り避けて、正しく対策を行うことをおすすめします。
宮路 幸人
宮路幸人税理士事務所
税理士/CFP
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