今回は、顧客が満足する「美容室」作りに欠かせない視点について見ていきます。※本連載は、ベネフィット税理士法人の代表社員、田崎裕史氏と、同法人所属の税理士、伊澤真由美氏による共著、『ゼロから開業して1億円を目指す美容室経営術』(三和書籍)の中から一部を抜粋し、美容室を新規出店する際の準備と心得を紹介します。

客観的にターゲットを決める「ペルソナ」の活用法

自分はどこへ向かうのかということを考えると、どういうお店をつくりたいのか、つくるべきなのかも見えてきます。

 

どんなお店にするのか、ということを具体的に考えて行く中で、必要になるのがペルソナです。ペルソナとは「誰をお客様にするのか」ということです。

 

想定される象徴的な顧客像を、とにかく具体的に、ターゲット像として決めていきます。氏名、年齢、性別、居住地、職業、勤務先、年収、家族構成、趣味、価値観など、可能な限り具体的に落とし込んでいくのです。

 

[図表]ペルソナのイメージ

 

もちろん、ぴったりの実在人物がいればそれでもよいですし、いなければ仮想の人物でも構いません。そしてそのお客様にとって、行きたいと思うようなお店はどんなお店なのかを考えるわけです。

 

どうすれば、このお客様に満足していただけるか? それを一つひとつ考えていけば、お店の雰囲気も、器材も、メニューも、明確な目標に向かって、具体化して行きます。

 

人は自分の都合だけで考えがちです。お客様のメリットを考えているつもりが、いつの間にか自分の都合を押しつけてしまっていませんか? そして、そんな自分勝手な考えを顧客志向に転換していませんか? そのときに使えるのがペルソナです。

 

自分のつくりたいお店ではなく、お客様にきていただける、満足していただけるお店はどんなお店なのかを考えてください。

事業展開の構想によって「出店場所」も決まってくる

あなたが独立してお店をもったら、どんなふうに事業展開をしていきたいですか?一〜二人の店でじっくりのんびりやりたいのでしょうか。どんどん店舗を展開していきたいのでしょうか。それとも、ほどよく成長していきたいのでしょうか。

 

それによって、どこにお店を出すかが変わってきます。

 

夫婦ふたりでこじんまりとやるつもりのお店を、ターミナル駅のそばの路面店にする必要はありません。何を目指して、どんなお店にしていきたいのかを考えることで、お店をやりたい場所も決まってきます。

 

やりたい場所が決まったら、次は、そのエリアの相場観を養っていきます。物件の坪単価を調べたり、周りのライバル店を確認したりすることも必要です。

ゼロから開業して1億円を目指す 美容室経営術

ゼロから開業して1億円を目指す 美容室経営術

田崎 裕史、伊澤 真由美

三和書籍

美容室オーナーが、最初に掲げるべき目標は、年商1億円。 本書には新規出店の準備と心得、美容院を軌道に乗せるために必要なこと、さらには将来を見据えた多店舗展開まで、年商1億円を目指すためのノウハウが満載されている。…

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