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3.妻(住宅と住宅ローンの名義人ではない人)がそのまま住み続ける
妻(住宅と住宅ローンの名義人ではない人)がそのまま住み続ける場合、夫がローンを支払い続けるケースもあります。
しかし、夫が完済まで支払いを続けてくれる保証があるわけではありません。夫が支払いを滞った場合、妻は立ち退きを要求されることもあるため、非常に深刻な問題です。
また、妻に経済的余裕があれば、債務者を夫にしたまま、実質的に妻が返済を続けるという取り決めをする例もあります。この際、名義が夫のままの状態では、住宅は夫の財産という扱いになってしまいますが、金融機関としては、ローンが完済するまでは、住宅の名義変更を認めてくれないのが実情です。
そのため、離婚協議をする際は、ローン完済後の名義変更について合意をしておくなどの対策をしておきましょう。
4.夫から妻へ住宅ローンの名義を変更して、妻がそのまま住み続ける
家に住み続ける妻に経済力があるなら、住宅ローンの債務者を妻に変更できる場合もあります。この場合は住宅ローンを組んだ金融機関に交渉して、審査してもらわなければなりません。
離婚時の財産分与における注意点
離婚時の財産分与では、次の3点に注意しましょう。
財産分与には時効がある
財産分与は、離婚が成立した後であっても請求することが可能です。しかし、財産分与を求める権利は離婚が成立した日から2年間が経過すると時効によって消滅してしまうことには注意してください。
また、離婚成立後は相手が財産分与の話し合いに応じてくれないリスクがあります。その場合も調停や審判を申し立てることはできますが、可能な限り離婚する際に財産分与についても取り決めておく方がよいでしょう。
相手の財産隠しに注意する
財産分与にあたっては、相手の財産隠しに注意が必要です。たとえば、婚姻期間中に貯めた金銭の一部を別の口座に移すなどして、財産額を実際よりも少なく提示するかもしれません。相手の提示額が疑わしい場合などには、弁護士へ依頼して財産の調査をすることも検討するとよいでしょう。
家の財産分与は譲渡所得税の対象となることがある
財産分与の対象として、家や土地などの不動産を渡した場合には財産分与をした側に対して譲渡所得税が課される可能性があります。
譲渡所得税とは、資産を譲渡した際の「儲け」に対してかかる税金です。財産分与は売却とは異なり対価を得るわけではないため、「儲け」などないと考えるかもしれません。しかし、家を渡す分については金銭での財産分与を免れると考えれば、家を時価で譲渡したと考えることもできるでしょう。
そのため、家や土地を財産分与の対象とした場合には、その資産を時価で譲渡したものとみなして譲渡所得税の対象になることとされています。譲渡所得税は毎年の確定申告で申告と納税が必要ですので、申告を忘れないように注意しましょう。
離婚時に家に関する取り決めを公正証書にまとめておく
離婚後、不動産を維持する場合で、住宅ローンの負担が大きい場合、支払いができないなどのトラブルが発生します。離婚時に、不動産を売却するのか、あるいは住宅ローンの支払いをどのように行っていくかなどを決め、公正証書にまとめておくことをおすすめします。
今回ご紹介したケースは一般的なもので、各家庭によってローンの状況等は異なります。離婚後もトラブルになりにくい最善の対処法を見つけるためには、弁護士など専門家に相談することも一案です。
白谷 英恵
Authense法律事務所
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