(写真はイメージです/PIXTA)

連日ニュースを賑わせている某テレビ局不祥事問題。現在は第三者委員会が局内で類似の事案があったかどうか調査中と報道されていますが、問題発覚当初は、第三者委員会ではなく内部調査委員会を設置するとしていました。この内部調査委員会と第三者委員会の違いはどこにあるのでしょうか。本稿では、ニッセイ基礎研究所の松澤登氏が、両者の相違について詳しく解説します。

委員会に期待されること

ちなみに内部調査委員会あるいは第三者委員会が何を行うかについては日本取引所自主規制法人の「上場会社における不祥事対応のプリンシプル(以下、プリンシプル)*」が参考となる。

*https://www.jpx.co.jp/regulation/public/nlsgeu000001igbj-att/1-01fusyojiprinciple.pdf 参照。

 

プリンシプルによると、以下を行うこととされている。

 

(1)不祥事の根本的な原因の解明

 

(2)第三者委員会を設置する場合における独立性・中立性・専門性の確保

 

(3)実効性の高い再発防止策の策定と迅速な実行

 

(4)迅速かつ的確な情報開示

 

このうち、特に第三者委員会に期待されるのは、(1)不祥事の根本的な原因の解明であり、プリンシプルでは「表面的な現象や因果関係にとどまることなく、その背景等を明らかにして事実認定を確実に行い、根本的な原因を解明する」とされている。原因の解明なくして再発防止策の策定もないからだ。

 

第三者委員会方式では、その形式上、企業と利害関係を持たない専門家だけにより作成される。したがって、その報告書の内容は企業による恣意的な内容調整を受けていないと捉えられやすい。この点、内部調査委員会方式では、ステークホルダーに納得されるものとなるかについて懸念が残る。本事案でも第三者委員会方式にすべきではなかったかと考える。

 

(追記)本稿脱稿後、本事案に関して第三者委員会を設置するとの報道があった*。

*https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250124/k10014701661000.html 参照。

 

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2025年1月24日に公開したレポートを転載したものです。

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