先週のドル円…10-12月期実質GDPの結果受け、円高ドル安へ
為替市場では、DeepSeekショックを背景にリスクオフムードが広がり、27日には一時1米ドル=153円台まで円高米ドル安が進行する場面があったものの、トランプ米大統領が全ての輸入品に課す一律関税について、2.5%より大幅に高く設定するとの考えを示したことで、インフレ圧力の上昇とともに米長期金利が高止まりするとの見方が広がったことなどから、30日には155円台まで水準を切り上げる展開となりました。
しかし、その後に米国で公表された2024年10-12月期の実質GDPが市場予想を下回ったことを受け円高米ドル安に転じ、31日には1米ドル=154.43円と24日(156.33円)に比べ円高米ドル安となりました(図表1)。
今週は、米ISM景況指数や米雇用統計などに注⽬
今週は、米国で公表される2025年1月のISM景況指数や雇用統計などに注目しています(図表2)。
事前の予想では、1月のISM非製造業景況指数は54.5と好不況の分かれ目である50(中立水準)を上回り、サービス需要の底堅さが維持されるとみられます。
前回12月のISM非製造業景況指数の内訳である価格指数は11月の58.2から64.4へ急上昇しており、インフレ再燃に対する懸念を高めるものとなりました。
トランプ政権下で想定される関税政策や移民政策などはインフレを再燃させるリスクがあるため、金融政策に及ぼす影響の観点から、1月の価格指数が一段と上昇するか注目されます(ISM景況指数の推移は図表3参照)。
一方、ISM製造業景況指数は49.3と12月(49.2)から小幅に上昇することが予想されています。12月は11月(48.4)から反発し、景気循環が回復局面に移行しつつあることを示唆しただけに、2022年10月以来となる中立水準を回復するか注目されます。最近の雇用統計を振り返ると、非農業部門雇用者数は10月にハリケーンやボーイング社のストライキなどにより前月差+4.3万人と大きく減速したあと、その反動から11月(同+21.2万人)、12月(同+25.6万人)は加速しました(図表4)。
1月は反動増が一巡することで、前月差+15.0万人へ雇用の増加ペースが鈍化することが予想されています。
一方、失業率は4.1%と12月と同水準となることが見込まれています。FOMC後の記者会見で、パウエルFRB議長は利下げの条件の1つとして、労働市場の弱さを挙げているだけに、1月の雇用統計が早期の利下げを支持する内容となるか注目されます。
東京海上アセットマネジメント
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが注目…2月第1週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」』を参照)。
※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。
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