トランプ新政権誕生…就任初日は「対中関税」見送り
20日(現地時間)に、トランプ氏は第47代米国大統領に就任しました。大統領就任初日にこれまでの政策を方向転換することが予想されていたものの、焦点であった関税政策については初日に署名する大統領令に盛り込まれませんでした。
トランプ氏は大統領就任前に、貿易赤字の縮小を目的として中国からの輸入品に一律10%、カナダとメキシコに対しては米国への合成麻薬や移民の流入を容認しているとして、これらの国からの輸入品に一律25%の関税を課すと表明しており、就任直後に大統領令として発表する考えを示していました。
しかし、就任後に、トランプ米大統領は2月1日にメキシコとカナダに25%の一律関税を課す考えを明らかにしました。
また、就任初日に追加関税の大統領令に署名するとしていた中国については、実施を見送った理由として、関係する政府機関に対して、貿易赤字や不公正な貿易慣行、為替操作などについて調査を指示するためとみられます。
なお、調査結果の報告期限は4月1日であるため、それ以降に中国を対象とした追加関税が発動されることが想定されます。
「トランプ政策」発動で短期的には「インフレ加速」か
トランプ米大統領が公約に掲げてきた関税政策の導入や、移民の規制強化などによる米国経済への影響は避けられず、金融市場の波乱要因となる可能性があるため、今後どういった形で実行に移されるか注目されます。
1.関税政策
米国が海外からの輸入品に関税を課した場合、インフレにつながると考えられます。実際に関税が課されれば、市場ではFRBの利下げペースが鈍化するとの観測が高まり、短期的には金利上昇、米ドル高が進みやすい状況になるとみられます。
2.移民の規制強化
トランプ米大統領は不法移民対策を強化する意向を示しているため、雇用確保のため賃金を引き上げる企業が増加することも想定されます。
実際、移民政策の強化に踏み切れば、労働需給のひっ迫を通じて、賃金増に起因するインフレ加速が懸念されるため、市場は短期的に金利上昇、米ドル高で反応すると予想されます。
ただし、移民対策の強化により雇用が減れば、個人消費の減速につながるといった側面もあり、中長期的には米ドル安に転じることも想定されます。
東京海上アセットマネジメント
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…1月第4週の「米国経済」の動き』を参照)。
※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。
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