(画像はイメージです/PIXTA)

訪問看護利用者数は年々増加傾向にあり(※)、在宅診療の現場からは「人生の最期は自分の家で迎えたいと考える人が増えている」という声が聞かれます。患者さんに良質な在宅医療を提供するためには、診療に携わる一人一人が自身の業務に全力を注げる体制を整えることが重要です。本記事では、在宅医療における理想のチーム体制を、実際の例をもとに詳しく解説します。(※参考 在宅医療の現状について|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000909712.pdf)

訪問診療の基本体制

ここまで、クリニックの概要を決定する際に必要な視点を中心に解説してきましたが、ここからは、実際の医療の提供体制について解説していきます。

 

私がおすすめする訪問診療の体制は、医師1名、看護師1名、訪問診療アシスタント1名で構成する3人一組のチーム体制です。

 

私たちのクリニックでは、医師と看護師の訪問診療に同行するスタッフを「訪問診療アシスタント」と呼んでいます。診療に赴く際は原則この体制になりますが、訪問診療アシスタントの人員が不足しており、かつ看護師が確保できる状況の際には、医師1名看護師2人という編成に臨機応変に変更することもあります。

医師、看護師、訪問診療アシスタントによるチーム体制のメリット

この1:1:1の編成にたどり着く以前は、看護師が車の運転手を兼任しながら、医師1名、看護師1名の2名をチームの基本単位とし、1台の車で患者さんの自宅を回っていました。しかしこういった体制は、たとえば看護師が勤務時間外のオンコール対応等により、前日に十分な睡眠時間を確保できていなかった場合、安全リスクが高まるという問題が生じます。

 

さらに、車内での移動中は、直前に診た患者さんの処方箋を薬局に送ったり、カルテを書き足したり、次の患者さんのカルテの確認作業を行う貴重な時間です。それらすべてを医師1人でこなすのは至難の業ですが、直接的に診療に携わることのないスタッフ(訪問診療アシスタント)が運転を担うことで、移動中に行うべき作業を医師と看護師が効率的に行うことができるようになりました。

訪問診療アシスタントの役割

私たち医療法人グループにおける訪問診療アシスタントの役割を解説します。無論、クリニックの診療形態によって医療職でない現場スタッフに求める仕事は異なりますが、当法人の例から、どのような業務を任せられる人材が欲しいのか、具体的に考えるきっかけになればと思います。

 

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