(画像はイメージです/PIXTA)

クリニックの名称は、クリニックにかける医師の思いが現れる大事な要素のひとつです。開業前に押さえておきたい、クリニックの命名と立地選定の際のポイントについて解説します。

クリニックの名前は地域ごとに制限も

クリニックや診療所の名称は、そもそも医療法に違反する名前でないことが大前提ですが、それに加え、開業者の姓または名をつけることが原則となっている自治体も多くあります。

 

個人事業主として開業するのであれば、クリニックに自分の名前をつけるというのも悪くないと思います。しかし、将来的にクリニックの法人化を考えている場合、理事長が変わった際に開業者の個人名だけが残ってしまうことになりかねないため、あまりふさわしいとはいえません。

 

クリニックの命名には地域によってさまざまな制限があります。私たちが群馬県で「あい太田クリニック」を開業した際は、県の規定により「在宅医療」などのワードを入れることができませんでした。現在では「在宅医療」や「訪問診療」といったワードを入れられる自治体もあるようですが、依然としてあまり数は多くないのが現状です。

クリニック名によっては、思わぬメリットも

私たちの医療法人「あい友会」が経営するクリニックには、「あい太田クリニック」や「あい庄内クリニック」など、すべて「あい」から始まる名称が付けられています。各施設が所属する地域名の前に「あい」という共通のワードを入れることで、各クリニックに統一感を持たせています。

 

この名称は、「愛」や、出会いの「会い」など、ひらがなで表記される「あい」にさまざまな思いを込めながら命名したものです。この名前にしたところ、何らかの一覧表を五十音順で作る際、必ず上部にクリニック名が配置されるという思いがけないメリットもありました。

 

欠点を挙げるとすれば、比較的一般的な名称であるため、似たような名前のクリニックが全国にたくさん存在するという点です。太田近辺だけでも「あい〇〇クリニック」とよく似た名前のクリニックは多いため、他院の患者さんから実際に間違い電話がかかってきたことや、お互いに間違っていることに気づかず、面倒な対応に発展したこともありました。

 

また私たちは、患者さんや、連携している施設や薬局等の担当者さんから「あいクリニックさん」、あるいは「あいさん」と呼ばれることが多いです。クリニックを命名する際は、呼びやすく、忘れづらい名称を意識することも重要です。

開業立地場所の選定ポイント

立地場所を決めるポイントは、各クリニックのコンセプトや診療形態によって変わります。車で往診に回る地域で、常勤医が複数人在籍する規模のクリニックを開業する予定であれば、大きめの駐車場の確保は必須事項です。「あい太田クリニック」開業当初は、建物は見つかったものの、駐車場がまったく足りず苦労しました。

 

逆に、駅前に開業した「あい熊谷クリニック」は、職員も通いやすく、他拠点からの応援も受けやすい傾向がありました。なかでも、新幹線停車駅である熊谷は、長野クリニックから応援に来てもらう際や、逆に熊谷から庄内へ応援に向かう際も、新幹線に乗って新潟まで行き、そこから特急いなほで鶴岡まで行くこともできるため、移動の際に便利な土地です。

 

このように、将来クリニックを大きな規模で展開したい、多拠点でやっていきたいというビジョンをお持ちの場合は、駅の近くなど、交通の便のよいところで開業するのがよいのではないかと思います。「あい駒形クリニック」も、県都である前橋で開業したいという思いと、当時規模が大きくなってきた「あい太田クリニック」の患者さんをもう一拠点に分け合いたいという思いから、太田と交流がしやすい高速道路のインターチェンジ付近を条件に場所を選定したクリニックです。

都心でのクリニック開業

ここまで、車での往診を前提とした地域での開業を想定しながらお話ししてきましたが、人口密度が高い東京や横浜などで開業を考えられている方は、また少し事情が変わります。

 

私自身、東京や横浜といった都会で開業した経験はないため、具体的な数字を出すことはできませんが、立地を選定する際に重要なのは、自らの足で開業予定の地域をじっくり観察しながら巡ることです。どのような立地で、どれほどの範囲であれば問題なく可能なのかをきちんと想定し、検討した上で診療範囲を決めるようにしましょう。

 

基本的に、あい友会で展開しているクリニックでは、ひとつのクリニックにつき半径16km圏内の患者さんを対象としています。しかし、人口密度の高い都心の地域であれば、車やバイク、自転車や電車での移動が可能な半径3km圏内ほどを対象に想定するのがちょうどいいのではないかと考えています。

 

野末 睦
医師、医療法人 あい友会  理事長

 

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