共働きは不利?紺のスーツは必須?…ヴェールに包まれている小学校受験の正体とは?【令和の小学校受験】

共働きは不利?紺のスーツは必須?…ヴェールに包まれている小学校受験の正体とは?【令和の小学校受験】

中学校受験に比べて受験者数が少なく、合格基準も明確には見えないため、まだまだヴェールに包まれている「小学校受験」。そんな世界の本質や、経験者としてのリアルな声をSNSで発信しているのが「狼侍」さんです。「小学校受験なんて一般家庭には縁がない」「高級車一台分の費用が必須」といった誤解や噂が飛び交うなか、令和の小学校受験の実情はどんなものなのでしょうか? 1月23日に初の著書『小学校受験は戦略が9割』(新潮社)を上梓した狼侍さんに3回にわたってお話を伺いました。

「共働き」「シングル」…家族構成に有利・不利はある?

――著書では「縁故」の正体についても触れられていますが、たとえば家族構成で、「共働き家庭だから不利」とか「シングルマザーやシングルファーザーだと不利」のようなことはあるのでしょうか?

 

狼侍:保育園や幼稚園と同じで、家庭の形態自体が不利か有利かという話ではないと思います。ただ、学校側が心配しているのは、純粋に「子供と関わる時間がきちんと取れるかどうか」という点ですね。

 

それは宿題の管理や日常的なフォロー、心のケアも含めて、家庭としてどれだけきちんと対応できるかが見られています。

 

つまり、すべてを学校に丸投げするのではないか、ということですね。中学校や高校でもそうだと思いますが、小学校の場合、特に私学が重視しているのは、教育は「学校と家庭の両輪」で成り立つという考え方です。たとえ共働き家庭であっても、限られた時間のなかできちんと子供と向き合う覚悟を持っているかが問われています。

 

――具体的にどのような「心配」があるのでしょうか?

 

狼侍:なにかトラブルが起きたとき、たとえば災害や緊急事態の際にどう対応するのかが重要です。

 

たとえば、「両親が長期間出張で不在で、誰も子供を迎えに来られない」という状況は難しいですよね。でも、「近くに祖父母が住んでいて、サポート体制があります」など、なんらかの具体的な対応策を示すことができれば問題ないのです。

 

学校側が抱いている「心配」というのは、純粋に物理的な問題への心配です。たとえば、トラブルが起こったときに子供が自宅まで10~20キロも歩いて帰ることなんて現実的ではありません。

 

そういった「心配」に対して、きちんと「このように対応します」という姿勢を示せば、家庭の形態そのものは不利とは見られないと思います。

 

――SNSでも、「うちは共働きだけれど大丈夫かな?」と心配をする親御さんが多いです。プレッシャーを感じる質問も多いという声もありますが、実際はどうでしょうか?

 

狼侍:多くの場合、学校側の純粋な心配に過ぎないと思います。それを必要以上に「1人親だから不利なんだ」「専業主婦の家庭に比べてうちは不利」と受け取ってしまうのは、少し過剰な反応かもしれません。

 

ですから、あまり気にしすぎず、むしろ解決策を冷静に提示することが大切だと思います。

 

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小学校受験は戦略が9割

小学校受験は戦略が9割

狼侍

新潮社

小学校受験の本質は、各家庭に合った初等教育を見つけること。私立小学校の魅力や、志望校と教室選びの決め手、縁故の役割、願書や面接の実践的な対策など、お受験解説の第一人者である著者が独自の分析をもとに、どう挑むべき…

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