俺の収入で貯めたカネだ!…結婚25年で「熟年離婚」、無収入・専業主婦の「驚愕の取り分」【弁護士が解説】

俺の収入で貯めたカネだ!…結婚25年で「熟年離婚」、無収入・専業主婦の「驚愕の取り分」【弁護士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

離婚件数は平成14年をピークに減少傾向にありますが、平成29年の離婚件数は21万2,262件と平成初頭に比べるとまだまだ高い水準にあります。さらに、熟年離婚の件数は年々増加傾向。婚姻期間が長かった夫婦は、その分、財産分与の額も大きくなります。財産分与を取り決める際にどのような点に注意する必要があるのか、確認しておきましょう。本記事では、離婚における財産分与ついてAuthense法律事務所の白谷英恵弁護士が解説します。

財産分与、3つの種類

結婚25年~の熟年離婚の財産分与はどうする?
[図表1]結婚25年~の熟年離婚の財産分与はどうする? 出典:厚生労働省「平成29年(2017)人口動態統計月報年計(概数)の概況」より

 

一言に財産分与といっても、その種類は大きくわけて3つあります。また、これに加えて、過去の未払い婚姻費用の清算という点についても考慮されることがあります。離婚時の状況によって発生しないものもありますが、それぞれの財産分与の特徴についてまとめました。

 

1.夫婦が築いてきた共有財産をわける「清算的財産分与」

一般的に離婚の財産分与といえば清算的財産分与を意味します。清算的財産分与とは、結婚期間中に夫婦が築いてきた共有財産をわける財産分与のことです。ここでいう共有財産とは預貯金や有価証券のほか、マイホームなどの不動産や自家用車、家財道具、貴金属、絵画、骨董品、さらには生命保険や学資保険なども含まれます。

 

たとえ短期間であっても、ともに生活してきたあいだにはなんらかの財産を築いているはずですので、清算的財産分与は離婚する夫婦のほとんどが行う財産分与となります。

 

2.離婚後に生活が苦しくなる人をフォローする「扶養的財産分与」

離婚によって夫婦のどちらかが経済的に苦しくなる場合に、経済力のあるほうが相手の生活費を補助するために行うのが扶養的財産分与です。

 

たとえば長年専業主婦ですぐに定職に就くのが難しい場合や、乳幼児がいて仕事をするのが困難な場合、あるいは病気で勤労するのが難しいといったケースでは、扶養的財産分与を離婚の条件に含められます。

 

扶養的財産分与の額は、協議離婚であれば夫婦間で話し合って決めることが一般的です。ただ、扶養的財産分与はあくまで補助的なものですので、結婚期間中と同じくらいの水準を維持する必要はないと考えられています。

 

協議によって財産分与の額を決めた場合はこの限りではありませんが、調停で取り決める場合は、この側面が考慮されるとしても、結婚期間中より低い生活水準をベースにした額になると予測されます。

 

清算的財産分与はその性質上、離婚と同時に双方が一括で受け取るケースがほとんどです。しかし、扶養的財産分与は生活維持を目的としたものなので、毎月一定の額を一定期間にわたって受け取るという方法を採られることもあります。

 

3.精神的苦痛を和らげるために行われる「慰謝料的財産分与」

慰謝料的財産分与とは、名前のとおり、慰謝料の性質を持つ財産分与のことです。たとえば離婚の原因が夫の不貞や借金、DVなどにある場合、妻が結婚期間中に受けた精神的苦痛を和らげるために慰謝料的財産分与を求められます。

 

一般的な慰謝料と違う点は、金銭以外の財産分与も可能であることです。たとえば夫の不貞行為が原因で離婚する場合、慰謝料を現金で受け取りつつ、慰謝料的財産分与でマイホームの所有権を要求することもできます。

 

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