AEOIに基づく自動的情報交換
これまでの国外から提供される税務情報は租税条約に基づくものであったことはすでに述べていますが、これによる情報にはいくつかの問題がありました。
1つ目は租税条約が締結されていない国等からの情報が提供されてこないということ、2つ目は最も情報量の多い自動的情報交換の情報は所得に関する情報であり、財産に関する情報ではないこと、ということです。
この欠陥ともいえる領域を埋めるのが金融口座情報自動的交換報告制度(AEOI)に基づくもので、その目的は脱税および租税回避の防止です。
さらに、OECDはAEOIの執行のための共通報告基準(Common Reporting Standard:以下「CRS」とします)を作成しました。
このCRSに基づく情報交換は、外国の金融機関等を利用した国際的な脱税および租税回避を防止する観点から、OECDが非居住者の金融口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際基準であるCRSを公表して、多くの国が実施を約束したのです。
CRSの情報交換は銀行などの預金機関、生命保険会社などの特定保険会社、証券会社などの保管機関および信託などの投資事業体である金融機関と連携を取っています。
普通預金口座などの預金口座、キャッシュバリュー保険契約・年金保険契約、証券口座などの保管口座および信託受益権などの投資持ち分に関して、口座保有者の氏名・住所(名称・所在地)、居住地国、外国の納税者番号、口座残高、利子・配当等の年間受取総額などを報告するものです。
このCRSに基づく非居住者の情報は、居住地国の課税当局に対し情報を提供されることになります。
これまで、外国の金融機関等に預金をすることで、税務当局への申告等を隠蔽していた時代がありました。このAEOIが適用されたあとは、昔の手法は通用しません。
矢内一好
国際課税研究所首席研究員
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