視野の一部が欠ける場合は「脳疾患」の可能性も
私たちがものを見るときには、視線を合わせている対象物だけではなく、その周囲も見えています。この範囲を「視野」と呼んでいて、一般には上下がそれぞれ約60度、外側が両目で150度ほどの範囲です。
しかしときとして、この視野に異常があらわれるときがあります。視野の異常は、重大な目の病気や脳の疾患が原因になっていることも多く、早めの対処が必要な場合もあります。
視野の一部が欠けて見える視野異常があります。視野の一部が見えないことを暗点(視野欠損)、右半分あるいは左半分が見えなくなる状態を半盲、視野が狭くなる症状を狭窄といいますが、こういった見え方になる場合は脳卒中や脳腫瘍など脳の疾患が起こっている可能性があるので注意が必要です。
もう片方の目が異常のあるほうの目を補うため、異常に気付きにくいのですが、欠損があると、人やものにぶつかりやすくなったり、車の運転をしている場合は歩いている人が見えず、急に飛び出してきたように見えたりします。おかしいなと感じたら、片目ずつ手で覆ってチェックしてみてください。
40歳以上になったら、こまめに目の健診を受けておく
他にも視野の異常には、目がかすむ、ぼやける、ものがゆがんで見える(変視症)、白い糸や黒い点のようなものが見える(飛蚊症)、光の点滅を感じる(光視症)というものがあります。
これらは、パソコンやスマホの長時間使用など、目を酷使したことによる疲れ目や、加齢による変化、また精神的なストレスなどが原因であることもあります。必ずしも病的な変化とは言えませんが、発見の遅れが治療効果を左右することもあるので、40歳以上になったらセルフチェックだけでなく、目の健診も受けておくことをおすすめします。
[図表]さまざまな見え方の異常