1ドル153円超えの米ドル円…12月に入り、急ピッチの円安が進むワケ【国際金融アナリストが解説】

12月17日~12月23日の「FX投資戦略」ポイント

1ドル153円超えの米ドル円…12月に入り、急ピッチの円安が進むワケ【国際金融アナリストが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

「FOMC」「日銀会合」と、注目イベントが目白押しとなっている今週。昨年、一昨年といずれも年末にかけて円高となっていますが、こうした日米金融政策を受け、12月終盤にかけての米ドル円はどのような展開となるのでしょうか。マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が解説します。

FOMC後も米金利は“あまり上がらない”可能性

過去2年、「歴史的インフレ」の影響で米金利は年末にかけ低下

では改めて、米金利は今週のFOMCを受けて上がるのか、それとも下がるのか。

 

2023年は、年末にかけて米金利が低下しました。2022年は12月後半から米金利が反発に転じましたが、これは「日銀サプライズ」で日本の金利が急騰したことに連れた面が大きかったようと考えられます(図表4参照)。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表4]米10年債利回りの推移(2022年1月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

なぜ過去2年、米金利は年末にかけて低下しやすかったのでしょうか? それは2022年以降の「歴史的インフレ」の結果、金利上昇リスクへの警戒から債券の“売られ過ぎ”が続き、買い戻しが入りやすかったことが一因とみられます(図表5参照)。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表5]CFTC統計の投機筋の米10年債ポジション(2022年1月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

こうした見方が正しければ、FOMCなどの注目イベントを経ても、米国債売りに伴う米金利上昇や日米金利差の米ドル優位・円劣位の拡大は限られる可能性があります。もしそうであれば、米ドル高・円安もおのずと限られることになると考えます。

今週は「FOMC」と「日銀会合」に注目

今週は、18日にFOMC(米連邦公開市場委員会)、そして19日は日銀の金融政策決定会合と、日米の金融政策を決める会合が続く予定となっています。

 

このうち、FOMCでは、3回連続で「利下げ」との予想が有力視されています。ただしここに来て、今回の利下げの有無以上に、2025年以降の利下げ見通しが徐々に後退している点に意識が強くなっている印象があります。

 

その意味では、今回公表される予定の「ドット・チャート」、FOMCメンバーの経済見通しのなかで、2025年以降の金融政策の見通しは大いに注目されることになりそうです。

 

日銀の金融政策については、最近にかけて見方が大きく揺れるところとなりました。一時は、今回の12月会合で追加利上げとの見方が有力視されましたが、先週から12月利上げはなし、さらに年明け以降も3月頃まで利上げを見送る可能性ありといった具合に、早期利上げ見通しが大きく後退しています。

 

先述したように、日銀の金融政策に対する為替市場の反応は大きい状況が続いているため、今回の日銀の決定、そして今後の金融政策の見通しに対しても、米ドル/円が大きく反応する可能性があるため要注意です。

 

ところで、基本的に年内の為替相場は、「最後のビッグ・イベント」である12月FOMCへの反応で一巡するのが基本です。

 

ただ、2022年のケースのように、年内最後の日米の金融政策が“サプライズ”となったことで、年末にかけて「もうひと相場」展開するケースもあります。その意味では、今週の日米金融政策会合の結果を受けて、年内の「もうひと相場」の有無が決まるといった目線も必要かもしれません。

 

以上を踏まえ、今週の米ドル/円は、日米の金融政策をにらみながら日米金利差の米ドル優位・円劣位拡大に伴う米ドル高・円安を試すものの、その限界を確認する展開を想定します。そのうえで予想レンジは、151円~155円で想定します。

 

 

吉田 恒

マネックス証券

チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

注目のセミナー情報

【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション

 

【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録