初孫を産んだ娘「お金持ちの舅から1,500万円贈与された」→負けじと銀行員の助言通り贈与をした資産家父…死後、税務調査で〈多額の追徴課税〉が課されたワケ【税理士の助言】

初孫を産んだ娘「お金持ちの舅から1,500万円贈与された」→負けじと銀行員の助言通り贈与をした資産家父…死後、税務調査で〈多額の追徴課税〉が課されたワケ【税理士の助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

相続税の税務調査において、「名義預金」はしばしば問題となります。贈与の意図をもって開設された口座であっても、被相続人の財産と認定されるケースが後を絶ちません。本記事ではAさんの事例とともに、名義預金の概念、その問題点、そして名義預金と認定されないための対策について、木戸真智子税理士が解説します。※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

通帳は孫の名義なのに、追徴課税?

名義がAさんではないのに、なぜ指摘を受けたのでしょうか?

 

「名義預金」という考え方があり、この通帳がそれに該当するとのことで家族の誰も想定していなかったことでした。その金額による追徴課税はなんと350万円ほどにもなりました。

 

このようなことが起きた理由を解説するため、ここで名義預金について知っておきましょう。名義預金とは本人が存在を知らない、もしくは管理をしていない預金のことを指します。名義だけは孫でも祖父が管理していたら、それは祖父の預金とみなされることになります。名義預金とみなされた通帳については、たとえ名義が孫であっても、祖父に相続が発生したら祖父の相続財産とみなされます。

 

名義預金とみなされるケースはいくつかポイントがあります。

 

1.本人が口座の存在を知らない。本人が管理していない。

2.預金残高が本人の所得状況と比べて不自然に多い。

3.口座の届出印が本人ではなく、親の印鑑になっている。

4.口座開設をした金融機関が本人の住所ではなく、祖父の住所の近くの支店になっている。

5.預金が預けられたままで口座の引き落としが全くない。

 

これらにあてはまるような通帳であれば、名義預金となりますので、たとえ、毎年110万円ずつ贈与していたつもりでも、贈与をしたことになりません。

 

今回の事例では、祖父は関西に住んでいて、孫は東京に住んでいました。祖父は自分の自宅近くの銀行で口座開設をしていました。子供にいえばよいのですが、遠慮するだろうから黙っておこうという思いやりにより、思ってもいない結果になってしまったのです。

 

また、Aさんは銀行の担当者に相談していました。担当者にもよるところですが、銀行員は、預金や投資などの商品販売には熱心です。一方で、税務に関する専門的なアドバイスは必ずしも得意とするところではありません。そのため、銀行員のアドバイスを鵜呑みにせず、専門家に相談することが重要です。

 

贈与とは、贈与を受ける側も了承を得ていることがポイントになりますので、本人が知らない、了承を得ていないとなれば、その贈与は無効になります。孫のために内緒で貯金を……というケースは多くあると思いますが、このあたりはしっかり押さえて適正な贈与をしましょう。

 

相続税の税務調査は他の税金と比べて調査になる確率が高く、多くの案件で財産漏れが指摘されています。調査で指摘される財産漏れの多くは、名義預金です。贈与しているつもりにならないように、贈与をしたいときはしっかり完結させるようにポイントを知ったうえで実行するとよいでしょう。

 

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