ポケモンがチラシとなって周辺のお店情報を表示
これはこれまでやられてきたO2Oマーケティングのクーポン券型O2Oと同じ考え方ですが、どうせ歩いているのですから、買い物などで立ち寄りたい場所のロケーション情報をポケモンGOに取り入れるという考え方です。
カーナビのように、ゲーム画面上にコンビニやスーパー量販店、役所などの所在地を表示させたり、あるいは、出てきたポケモンにタグが付いていて、タップすると周辺のお店情報や安売り情報など、お役立ち情報が得られるようにする。
ポケモンが「チラシ」のような機能を果たすのです。さらに、会計の際に「ポケモン見た」と画面を見せれば値引きしてもらえるといったような。
もちろんこういった情報が氾濫してしまうと純粋にゲームを楽しみたい人にとっては煩雑に過ぎないものになります。なので、「チラシお断り」じゃないですけれど、表示機能のオンとオフを切り替えられるようにし、また、どこまでの情報を表示させるかの選択をできるようにする。
例えば主婦ならどうせ歩いたついでにスーパーの安売り情報が表示されれば便利と考える人もいるでしょう。ポケモン探しでお腹がすいたら、近くの安くておいしい食べ物屋さん情報が欲しくなるかもしれません。
あるいはポケストップの機能拡充です。例えばコンビニと提携した場合、コンビニ近くのポケストップにチラシを付けるようにします。それが、通常ならおにぎり30円引きというものだったら、レジで「ポケモン見た」と言って、認識コードをレジで読み取らせるとさらに10円引きになる。
こういった機能まで実装できれば、ポケモンGOでの集客効果もカウントできて広告宣伝効果も分かります。正直、今のマクドナルドのやり方では、来店者の何人がポケモンGOで来たか分かりません。ここまできちんとやれば、何も買わないで来店するお客さん対策にもなります。
さらにこういったスポンサード収入は、課金によらない収入源なので、ポケモンGO利益率の向上になります。課金収入だと、グーグルかアップルに自動的に3割が控除されてしまうのは既にご説明した通りです。
ゲームのアバターが着用する「アイテム」もビジネスに
ポケモンGOでは、ダウンロード後に各種設定をする中で、ポケモントレーナーである自分のアバターの髪色や服装などの設定もします。
自分の分身であるアバターに愛着を感じているプレイヤーなら、自分だけのアバターを作りたいという人もいるのではないでしょうか。そうすればまたこれも企業と組む形でいろいろな展開が可能です。
例えば、トレーナーが背負っているリュックサック(恐らくはモンスターボールやおこう、戦闘で傷ついたポケモンを回復する各種薬が詰め込まれている)。これに、プラダやヴィトンのブランドロゴを入れるのです。
そしてスポンサードした企業側が、アバターが背負っているのと同じ実物のリュックを製造・販売します。
自分が普段背負っているのと同じリュックをアバターが背負っていたら、ここでもゲーム世界とリアルな世界が交錯する楽しみが味わえて、よりポケモンGOの世界に浸ることができます。
そういったリュックの入手では、新たな課金メニューを加えることが可能になるでしょうし、しかし、マイルドな課金メニューがポケモンGOの鉄則でもあるので、それは、例えばプラダであればプラダがポケモンGOと組んでイベントをやり、そこに参加することで優先的にプラダのリュックを得られるというハードルを課せばクリアできます。そして、プラダの集客にもつなげるようにするのです。
また、現物のプラダのリュックを購入する場合にも、アバターが背負っているリュックを店頭で明示することで、プライスダウンが受けられるようにするのです。同じことは、アバターが着ている服や履いているスニーカーでも可能です。
というのも今後、ポケモンの「交換」や自由な「対戦」が実装されて、コミュニケーション機能が拡充されてポケモン友達探しなどするようになったら、そこがかなり重要になってくるからです。
SNS上のつながりというのは、アバターが自分の顔の役割を果たすもので、アバターのカスタマイズにその人の性格が出たりもします。これも、LINEスタンプのようなスポンサードの形で、ユーザー同士だけでない企業とのコミュニケーションの可能性を生み出すことができるでしょう。