自動運転に必要なプログラミングは、人力では不可能!?
自動運転車の開発で欠かすことができないのは、一般道までを含めた完全自動運転のソフトウェア(走行アルゴリズム)の開発です。ハンズフリーのレベル3を超えた、ドライバー不要の自動運転が可能なレベル4の自動運転車の実現にはこのソフトウェアが必要です。
この走行アルゴリズムの開発にはAI(人工知能)によるディープラーニング(深層学習)という技術が必要です。
自動車の運転環境では、高速道路、一般道路、生活道路で環境は大きく異なり、交差点があり、信号があり、歩行者がいて、他の車もいて、またそれが国の交通ルールで異なったり・・・と、それこそありとあらゆる状況があり、これを自動運転車のソフトウェアは判断しなければいけません。
これは人力によるプログラミングなどでは到底不可能で、ディープラーニングを深化させてどんな状況であっても人間より素早く最適な判断を下す人口知能の力と、そのソフトェアを車のコンピューターにダウンロードするOSが必要なのです。
そしてこのディープラーニングの開発で、ビッグデータの活用が得意なグーグルは他を圧倒しているのです。
自動運転車実現のため「三次元地図」の開発が進む
アメリカのカリフォルニア、テキサス、ワシントン、アリゾナなどの州の公道では、グーグルの特徴的な形をした自動運転のテスト走行車(通称・マウス)34台が実験走行を繰り返していて、2016年4月時点で約150万マイル(240万キロメートル)にも及ぶ走行実験を繰り返しています。
同時に、それを基にしたコンピューター上での自動運転車のシミュレーション走行も行っています。そうして、グーグルではレベル4の自動運転車の実現に向けたデータの蓄積を着々と進めているのです。
もちろん、他の自動車メーカーも黙って見過ごしているわけではありません。自動車メーカーだからこそ得られる、膨大な実験データというものもあります。
しかし、そのためには世界中の地図が必要ですが、ただ道路と建物の区割りが書き込まれただけの地図では危なくて使えません。道路工事や一歩通行路、人通りが多い少ない・・・といった実情を踏まえた独自の地図を作製する必要があります。
そしてグーグルでは、走行アルゴリズム開発のための「三次元地図」と呼ばれる詳細な地図情報を独自で開発、実験で活用しているのです。