メール、GPS…ポケモンGOで収集されるデータとは?
現在、さまざまな分野でビッグデータの活用ということが言われ、企業が活用を進めようとしていることは言うまでもありません。念のため、ビッグデータとは何かを一言で言えば、ITの進歩によって収集可能となった大量・多様・リアルタイムな情報資産のことを言います。
スマホやタブレット、M2M(機器間通信)の普及でデータ量は急増していて、それも、メールやツイッター、センサやカメラ、GPSの位置情報といった不定形なデータは膨大に膨らんでいるわけですが、これを分析し、マーケット戦略を始めとしたさまざまなビジネス戦略に活用していこうというのが、「ビッグデータの活用」と世間で言われているところのざっくりとした意味内容です。
そして、スマホやタブレット、カメラ、GPS情報を使用するポケモンGOも、この解析すべきビッグデータの一つであるのです。
空間情報を扱う会社を買収したグーグルの戦略
ナイアンティックのCEO、ジョン・ハンケはもともとはグーグルのスタッフで、グーグルの副社長としてグーグルアースを統括していました。それと同時にハンケは、keyholeという会社の創業メンバーの一人で、CEOでした。
というより、このkeyholeという会社が2004年にグーグルに買収された後に、主力製品がグーグルアースと名前を変えて、グーグルマップとストリートビューとなったのです。その制作をハンケが率いていたというわけです。
このkeyholeという会社はもともと、NGAというアメリカ国家地球空間情報局という情報機関から得た資金で立ち上がったITベンチャー企業と資本関係がありました。アメリカでは産学共同を積極的に進めるところがあるので、こういった例は必ずしも珍しいものではありません。
いずれにせよ、グーグルアースの大元を辿れば、そういった国家ぶくみの空間情報を収集分析する活動があったということです。
そのkeyhole社をグーグルが買収したのも、そこには当然、グーグルの戦略がありました。つまりは、ビッグデータの取得です。グーグルという会社が、検索エンジンやクラウドコンピューティング、ソフトウェアなどインターネット関連サービスの会社であることは今さら言うまでもないでしょう。
そのグーグルの収益の多くは、オンライン広告のAdwords(アドワーズ)で得ています。そしてこの広告は、まさにビッグデータの活用で成り立っているのです。グーグルという会社は「ビッグデータの申し子」とも言うべき会社で、同社のビジネスの根底には、サービスを通じて取得して得た大量のデータの活用があります。それを広告に生かしているのです。