あらゆる個人の「行動パターン」を把握できる
ポケモンGOですが、ナイアンティックがもともとグーグルからスピンアウトした会社で、CEOはグーグルマップを作った人です。そこには当然、グーグルマップを通じた更なるビッグデータの取得という意図があるはずです。
グーグルマップの更なるデータ収集。ポケモンGOはこの意図に大きく寄与するものです。
みながこぞってポケモンGOをやれば(まさかこんなにたくさんの人がやるとはナイアンティックやグーグルの人達も想像していなかったでしょうが)、プレイヤー個人個人のGPSを通じた移動が情報としてストックされます。
その情報を解析すれば、どこに住んでいて、職場がどこで、昼食はどの辺りでとって、アフターファイブはどこで遊ぶのか。また、移動のパターンから、何曜日が休みで、休みの日はどこに出掛け、普段は何時に寝て、昼間働いているのか夜働いているのか・・・といった、ありとあらゆる個人の行動パターンを知ることができます。
ポケモンGOに基づいた「広告」が届くように!?
また、ポケモンGOにアカウント登録する際の、アカウント認証では、基本的にGメールアドレスが使われているので、認証上の個人は特定されています。さらにここでは、グーグルの検索・表示履歴、Gメールの利用情報、グーグル+をやっている人ならその内容情報までが自然と紐付くようになっています。
これではもう、個人の趣味嗜好から行動パターンなどほとんど筒抜けのようなもので、これはビッグデータとして見た場合、それこそ宝の山なのは言うまでもないでしょう。
そう考えると気持ち悪い話ですが、既にOSが搭載されたコンピュータ機器を使っている以上は仕方のないことだとも言えます。グーグルはビッグデータを活用するのはもちろん、ビッグデータを作り出す企業でもあるからです。
グーグルは2010年までGOOG–411という無料の音声サービスを提供していました。これは日本の「104」番と同じようなサービスで、一言で言えば、アメリカの電話番号案内です。
なぜグーグルがそんなサービスを? と思われるかもしれませんが、グーグルはこのサービスを通じて、音声データを入手し、これを蓄積・解析することで、音声認識機能のアルゴリズム改善に役立てようとしていたのです。つまり、グーグルにしてみれば、タダより高いものはないというわけです。
検索エンジンのグーグル自体がそもそもそういう性質のものです。ポケモンGOもダウンロードはタダです。今後、ポケモンGOに基づいた広告があなたのスマホやパソコンのネット画面に登場するかもしれません。いや、もう既に届いているかもしれないのです。