ポケモンGOプレーヤーが集めてくれる「地図情報」
ポケモンGOをプレイすることで、グーグルは個人情報とは別のビッグデータを得ることができます。より精緻な地図情報です。グーグルアースは上空からの衛星写真で、ストリートビューは実際に世界中に車を走らせた(時には徒歩で)ものですが、まずその段階で非常に荒いものです。
ところが、ポケモンGOではプレイヤーがGPS情報を頼りにありとあらゆる箇所を歩いてくれるので、そのデータを元により細かい地図を描くことができます。しかも、ポケモンが飛び出してくればARでカメラが作動して動画を撮ってくれるので、その画像データも収集できます。
つまり、ストリートビューではグーグルの費用で車を走らせて写真撮影していたものを、プレイヤーが肩代わりしてくれるわけです。しかも、夥しい人海戦術で車では巡りきれないような場所や、公園などの道路外の空間、さらにはGPSが感知できる建物内まで「探査」してくれるというわけです。
上空からだと建物の形状までは分かっても、入り口や車受けの方向までは分からなかったものも、人の動態を見ればそれも分かるでしょうし、建物内の写真データから、容積や内部の形状までかなりのところまで分かるはずです。
極端な話、撮影したい場所にポケストップを設置すれば、勝手に人が行って写真を撮ってくれるというわけです。
グーグルの次なる戦略は「自動運転車」での世界制覇
どうしてグーグルはさらなる地図情報が欲しいのでしょうか。一つには、グーグルマップの精緻化があり、それはそれでまたさまざまな利用価値があるでしょうが、私はグーグルの更なる狙いとして、車の自動運転車の実現がそこにあると考えています。
自動運転車の開発は各自動車メーカーが競って開発を急いでいるところですが、グーグルでもこれを行っています。
と言っても、グーグルは自動車メーカーではないので、狙いはずばり、自動運転車の車載OSの開発です。自動車産業は生産台数も多く、利益は莫大です。車1台当たりいくらと価格を付けることが出来、またその価格はグーグルの考えでいつでも値上げできるのです。今、グーグルが一番やりたがっているのがこれだと思われます。