高齢者住宅へ移った母の家が空家に…「3年以内」に自宅を売った〈55歳長女〉、最終的に姉妹2人でニンマリできたワケ【相続の専門家が解説】

高齢者住宅へ移った母の家が空家に…「3年以内」に自宅を売った〈55歳長女〉、最終的に姉妹2人でニンマリできたワケ【相続の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

80代半ばで一人暮らしが大変になり、高齢者住宅へ移った母の実家がしばらく空き家になっていると相談に来られた志穂さん。本記事では、その実家の対処法について、相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が解説します。

「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」とは?

マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できるという特例があります。これを、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。

 

以下、国税庁のwebサイトの説明を転記します。

 

特例の適用を受けるための要件

(1)自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

 

(注)住んでいた家屋または住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の2つの要件すべてに当てはまることが必要です。

 

イ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

 

ロ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。

 

(2)売った年の前年および前々年にこの特例(「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」によりこの特例の適用を受けている場合を除きます。)またはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。

 

(3)売った年、その前年および前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと。

 

(4)売った家屋や敷地等について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。

 

(5)災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

 

(6)売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。

 

特別な関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

 

※(特定増改築等)住宅借入金等特別控除または認定住宅新築等特別税額控除については、入居した年、その前年または前々年に、このマイホームを売ったときの特例の適用を受けた場合には、その適用を受けることはできません。

 

また、入居した年の翌年から3年目までのいずれかの年中に、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の対象となる資産以外の資産を譲渡し、この特例の適用を受ける場合にも、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできません。

 

適用除外

このマイホームを売ったときの特例は、次のような家屋には適用されません。

 

(1)この特例の適用を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋

 

(2)居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋

 

(3)別荘などのように主として趣味、娯楽または保養のために所有する家屋

 

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