米ドルの買い場は「時期」が重要
――米国の景気がいいと、それほど円高は進みにくいということですね。では、具体的にどのあたりの水準になれば、米ドルの買い場といえるでしょうか?
荒磯「水準よりも、時期のほうが大事であると私は考えています。いまのドル円には2つの重要なファクターがあります。1つは中東情勢です。市場は地政学的リスクにすっかり鈍感になり、あまり反応していません。ただ、戦火が拡大すると原油価格に跳ね返る可能性があるということで、インフレの再燃によって米国が利下げできなくなるリスクオフの可能性に注視する必要があるでしょう。
もう1つは、物価上昇ペースが鈍化する“ディスインフレーション”が一巡してしまう可能性です。[図表5]を見ると、2024年の夏頃から前年比で原油価格が下がっていることがわかります。
ただ、この価格の低下は、2025年の夏以降、モノの価格を上昇させる要因にもなるため、米国の利下げは、2025年後半に物価上昇という不確定要因をはらんでしまうかもしれません。
いわゆる円の買い戻しや金利差の縮小が見込める時期は2025年の前半くらいまでとなり、外貨の仕入れ時も同じころまでというのが、1つのメドだと考えています。
まとめ
――米国で利下げが始まりました。 米国のハードランディング懸念は行き過ぎで、利下げは今後もゆっくりと進みそうです。2024年11月の米国大統領選挙後は株高、米金利上昇、米ドル高へ向かう流れを予想します。
また、2024年8月以降は日米金利差の縮小が円高を演出しましたが、金利差を材料に円高へ振れやすいのは2025年前半までで、そこまでは外貨を仕入れるチャンスが生まれやすいでしょう。
【AB’s Market Tips】「いよいよ来た米利下げと大統領選。市場はどう変わる?」
↓全編動画はコチラ↓
荒磯 亘
アライアンス・バーンスタイン株式会社 執行役員
運用戦略部長(債券担当)/ポートフォリオ戦略室長/シニア・インベストメント・ストラテジスト
杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>
注目のセミナー情報
【国内不動産】12月25日(水)開催
フルローン×1都3県・駅チカ物件で利回り7%超×買戻し特約で投資家殺到!
「カインドネスシリーズ」年末特別説明会
【海外不動産】12月26日(木)開催
10年間「年10%」の利回り保証・Wyndham最上位クラス
「DOLCE」第一期募集開始!
【事業投資】12月26日(木)開催
年利20%の不動産投資の感覚で新しい収益の柱を構築
ブルーオーシャン戦略で急拡大!
いま大注目のFCビジネス「SOELU」の全貌
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】