“大接戦”の米大統領選、為替市場への影響は?…2025年前半までが「外貨の仕入れ時」といえるワケ【投資のプロが解説】

“大接戦”の米大統領選、為替市場への影響は?…2025年前半までが「外貨の仕入れ時」といえるワケ【投資のプロが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

米ドル/円は円安から円高に振れるなど、為替や先行きに不透明感が増す株式市場。大統領選挙を控える米国の景気は、利下げによってどう変化するのでしょうか。今後、注目すべきポイントについて、アライアンス・バーンスタイン株式会社の運用戦略部長 兼 ポートフォリオ戦略室長である荒磯亘氏が解説します。

大統領選は接戦も、短期的には下押し材料とはならない

――米国の大統領選は大接戦となっています。市場にとっては、かく乱材料となる可能性はありますか?

 

荒磯「米国大統領選では、大統領が誰になるかということと、同時に実施される連邦議会選挙で共和党と民主党のどちらが多く議席を獲得するかという2つの組み合わせが非常に重要です。

 

今回の大統領選の特徴の1つは、両候補の主張について“政治主導”“バラマキ政治”“自国ファースト”といった共通点があること(図表3)。財政では、トランプ氏が“減税の拡大”、ハリス氏が“財政出動の拡大”と、いずれも政府支出の増大が予想されます。

 

こうした景気刺激策は、長期的に見れば金利の上昇につながると考えられますが、即座にマーケットを下押すような材料ではないと考えます」

 

過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。予想は今後変更される可能性があります。 2024年9月末時点の予想。 出所:AB
[図表3]2024年米国大統領選挙におけるキーワード 過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。予想は今後変更される可能性があります。
2024年9月末時点の予想。
出所:AB

 

 

――1ドル160円から大幅な円高に転じた“日銀ショック”は記憶に新しいところです。今度のドル円相場は、再び円安基調に戻るとみるべきでしょうか、それともまだ円は上がりそうでしょうか?

 

荒磯「日米の金利差と為替の動きを見ると、直近では、米国の利下げと日銀の利上げによって日米金利差が縮小し、為替もこれに反応して円高方向に動きました。日米の金利差が為替をきれいに説明しているといえるでしょう。

 

将来を見据えると、向こう1年間の米国、カナダ、ユーロ圏、英国、欧州および日本の利上げ・利下げの織り込みについては、日本を除くすべての国で利下げが予想されています(図表4)。

 

しかし、米国は7回の利下げが見込まれていますが、景気が悪化しなければ金利を据え置く可能性もあり、日米の金利差が縮小していくというストーリーには少し限界が出てくるのではないかと感じています。

 

市場の予想ほど日米金利差が縮小しないとなると、円の買い戻しもまた進みにくいと考えています」

 

過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。予想は今後変更される可能性があります。 2024年9月末現在 出所:ブルームバーグ、AB
[図表4]市場が織り込む2025年9月までの利下げ回数 過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。予想は今後変更される可能性があります。
2024年9月末現在
出所:ブルームバーグ、AB

 

 

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【ご注意】
※本稿は、「【AB’s Market Tips】#14 いよいよ来た米利下げと大統領選。市場はどう変わる?」を参考に、再編集したものです。詳細については当該動画をご覧ください。
本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタインポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスに関する過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。
当資料は、2024年10月22日現在の情報等を基にアライアンス・バーンスタイン株式会社が編集した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

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