ここ最近、労働法に関連したトラブル事例が数多く報道されています。長時間労働、パワハラ、またそれらに関連した訴訟や経営者の責任追及など、ケースは様々です。ひとたび世間に「ブラック企業」のレッテルが貼られてしまうと、挽回は容易ではありません。本連載では、経営者が会社を「ブラック化」させないために知っておきたい労務の知識を、川柳を通じてわかりやすく解説していきます。

なぜ今「労働法」が世間の注目を集めているのか?

昨今、労働法に関連したトラブル事例をニュース等でよく目にする機会が増えてきました。長時間労働に起因する過労死、行き過ぎたパワハラによるうつ病の発症等で会社が訴えられるケースや株主代表訴訟で役員の責任追及を求められるケースなど様々です。

 

それに比例して、時代とともに世間の労働法への関心も増しています。労使トラブルに関する情報は世に氾濫し、労働者側の知識武装も日に日に強固になっています。「ブラック企業」という言葉も一般的に使われるようになってきました。ひょんなことからいったん「ブラック企業」の称号を得てしまえば、その情報はネット上で拡散し、企業ブランドイメージの低下はもとより、離職者増、採用難、取引減など事業運営にも多大なダメージをもたらすのは明白です。

労働法の知識を押さえて「企業のブラック化」を防ぐ

企業の労務管理をサポートしている者からすると、ブラック企業への第一歩、それは経営者や管理職の労働法務に関する誤認識や知識不足によるところが、一つ大きな要因であるような気がします。

 

一般的には、法学部以外の学生は労働法を学ぶ機会なく社会へ出ます。年齢とともに出世し、日常業務に追われながら、やはり労働法を学ぶ機会なくいつしか管理職になるといったケース多いのではないでしょうか。そもそも難解・ややこしい・分かりづらいと言ったイメージを持たれやすい労働法務、なかなか自ら進んで学ぼうという方も少ないですよね。

 

世の中の経営者及び管理職の方々に少しでも労働法務に興味を持って頂きやすい仕組みを作る、そして最低限抑えていただきたい内容を知っていただくと言うのが、労務管理のプロでもある社会保険労務士のミッションの一つでもあります。管理職が正しい労働法の知識を得ておくことで、後の労使トラブルが一件でも減少することができれば、企業経営における無駄な労力及びリスクの削減にもつながるでしょう。

 

そのようなことから、知識に触れやすい仕組みのひとつの方法として、『サラリーマン川柳』や『シルバー川柳』でもお馴染みの『川柳』を通して、労務管理をもっと身近にわかりやすくしていこう。そんなことを考えながら生まれた『労務川柳』。多くの経営者及び管理職の皆様に『労務川柳』をお楽しみいただきながらお役に立てればこれ幸いです。

 

ちなみに川柳とは、五七五の短歌です。俳句とは違って、季語なしで気軽に楽しめます。ここでは多々字余りがございますが、その辺はご愛敬でよろしくお願いします!

 

次週からは、労働契約や労働時間、賃金や解雇といった事柄の労務川柳をお届けしていきます。

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