老後は守りに入る人が多いが…
今回はそれなりにゆとりのある老後を送れる状況であったものの、フードコート通いをすることになった矢崎さんの事例についてお伝えしました。
令和2年度「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」によると、日本の60歳以上の人の約81.6%が老後の生活に満足していると答えています。全体の8割以上が満足と回答していますが、実は同じ調査対象となったアメリカ、ドイツ、スウェーデンはいずれも90%を上回り、満足と答えた人の割合が高くなっています。
自分の人生の満足度を決定する要素の中には、時間の自由や人間関係の自由、経済的な自由などがあり、経済的な自由がないと望んでいなくても仕事をしなければならず、時間の自由が奪われます。さらに、嫌な人とも接しなくてはならないなど、すべてが関連してくるでしょう。
「老後にお金に困らないように……」こうした考えから、『守りの生活』に入る人も多いのですが、反対に「こう生きたい」という自分の理想の姿が明確になると、「そのためにどういう資金計画を立てるか?」という能動的な行動になり、後者のほうがより人生の満足度を上げることになります。
資産形成のプランや公的年金を何歳から受け取ればよいかなど、そういった方法も全すべてこの資金計画を立てるための手段です。目的あっての手段ですから、できるだけ早い段階で自分の望む将来像をできるだけ意識して考えて実現のために行動してみるといいのではないでしょうか。
小川 洋平
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