採用に力を入れるも、苦戦する中小企業
建設業界の人材不足は深刻な問題ですが、各社が採用に力を入れていないわけではありません。むしろ、多くの建設会社がさまざまな手段を講じて、必死に人材確保に取り組んでいます。特に採用サイトなどには多額の費用を投じています。しかし、大手と中小では採用サイトにかけられる予算に大きな違いがあり、その差で人材獲得の勝ち負けが決まってしまうのも事実です。
採用サイトには求人の掲載数や掲載期間に制限があり、中小企業は複数の求人を掲載したくても、予算の関係で制約を受けてしまうことが多いといえます。また、掲載期間中に採用が決まらなかった場合でも、利用料金が発生することが一般的です。採用の成否が見えないままコストをかけることは、予算の限られた中小企業にとって大きな負担です。
さらに、求人サイトに掲載したとしても、求人掲載数の多いサイトのなかでは自社の情報が埋もれてしまうこともしばしばです。これにより、求職者の目に留まりにくくなり、結果的に応募数が伸び悩むことがあります。
料金プランによっては、サイト内での表示順位が下がることもあります。高額なプランを選択できる大手企業に対して、中小企業は限られた予算での掲載となるため、自然と表示順位が下がり、求職者の目に留まる機会が減ってしまいます。
このように、採用サイトを活用するうえでも中小企業と大手企業の間には大きな格差があり、人材確保の難易度に差が生じています。中小の建設業者は、限られた資源のなかで効果的に人材を獲得する方法を模索する必要があります。
中西 涼
株式会社KCO専務取締役