株式のように急落しづらく、価格推移も緩やかな中古不動産だが…
「副収入が得られる」「もしものときの備えになる」「複利効果で運用できる」、不動産業者が営業トークとして伝えた不動産投資によるメリットは決して間違ったものではありません。
ただし、提示された情報をただ鵜呑みにするだけでは同じような失敗を辿ってしまいます。都心エリアで築年も古くなく、入居者もついているし「よさそう」という、目の前の情報だけで物件を選んでしまうことに大きな問題があります。
株式、先物取引、暗号資産などに比べて、不動産は2つと同じ物件はなく個別性が強いとみられがちです。しかし、1990年代のバブル崩壊からリーマンショックを経て、現在の不動産価格の高騰といわれている昨今の状況でも中古不動産の価格推移は緩やかで、株式などのように価値が急落したり、消失したりすることは限定的です。
さらに、収益の安定性や法整備、金融機関の仕組みまでも考慮すると、堅実な資産形成を行うならほかの金融商品よりも不動産で取り組むことが最適にもみえます。では、なぜ牧野さんのように失敗だったと感じる人が後を絶たないのでしょうか?
適切な判断力があればリスクは回避できる
不動産投資はいかにリスクをコントロールできるかが非常に重要なポイントになります。代表的なリスクは空室、滞納、家賃下落、金利、災害といわれ、なかでも空室、滞納、家賃下落のリスクは、正確な情報を知ることで対策できます。
先の牧野さんの事例でもわかるように、物件の内装はどうなのか、どんな入居者がいつから住んでいるのか、一時的な資金が準備できるか、といったことさえ事前にわかっていたら、リスクに備えた選択肢を持てたのかもしれません。
数万円の家電やブランドバッグなどの買い物においては、その商品の性能や状態、持った後のアフター保証までしっかりと店員スタッフへ念入りに確認するにも関わらず、投資においては知識がなかったという理由で正確な判断がなされないケースが多くあります。
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