定期預金の名義変更で節税可能?
定期預金の名義変更で節税が可能なのかどうかについて見ていきましょう。
贈与税の非課税枠に関しては上述しましたが、下記のように生前贈与を行えば、相続財産を減らすことができ相続税の節税になります。
(1)1年間の贈与が贈与税の基礎控除額を下回る110万円以下
(2)一定の直系親族間で贈与を受けた財産の価額の合計額が2,500万円以下
(3)夫婦間贈与の特例により2,000万円以下での振込み入金
(4)結婚・子育て資金の一括贈与により1,000万円以下での振込み入金
(5)教育資金の一括贈与により1,500万円以下での振込み入金
しかし、この方法でも贈与と認められず名義預金として扱われる可能性もあります。そのため、生前贈与と認められるには以下の点に注意する必要があります。
①上述した(1)~(3)については贈与者と受贈者との間で贈与契約をした後、定期預金の名義を贈与者から受贈者に変更することが必要です。(4)(5)については金融機関等と一定の契約を結んだ上、定期預金の名義を贈与者から受贈者に変更することが必要です。
②贈与者が受贈者の定期預金の口座に非課税枠の金額を振込み入金することが必要です。
③受贈者が贈与者から定期預金の通帳や証書、届出印を受け取り管理することが必要です。
④受贈者の贈与税が非課税となるためには、上述した(2)については相続時精算課税選択届出書と贈与税の申告書を提出することが必要です。(3)については贈与税申告書を税務署に提出すること、(4)(5)については非課税申告書を金融機関等を経由して税務署に提出することが必要です。
⑤上述した(1)については、受贈者が「相続や遺贈によって遺産を取得した人」に当たれば、相続開始前3年以内の贈与として相続税の対象になるので、節税のためには相続人以外の人に贈与することが必要です。
節税するコツ
上述した条件をまとめると、節税するためのコツは、以下のような贈与税の非課税枠を利用することです。
①相続人以外の人に110万円以下の基礎控除による非課税枠
②相続時精算課税による非課税枠
③夫婦間贈与の特例による非課税枠
④直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税枠
⑤直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税枠
定期預金の名義変更の方法は?
実際上、定期預金の名義変更は、相続や結婚・離婚・改名の場合以外はできません。ここでは、生前贈与と相続による名義変更の手順と必要書類を解説します。
生前贈与による定期預金の名義変更の方法
生前贈与の場合、親の定期預金を解約して、子の口座に預け替えるかたちで名義変更を行います。以下の手順を踏みます。
1.親の預金を解約
親名義の口座を解約し、預金を払い戻します。
2.子の口座に預け替え
新たに子の名義の口座を開設し、解約した預金を入金します。
相続による定期預金の名義変更、必要書類・手順
相続による定期預金の名義変更の方法、必要書類・手順について見てみましょう。
ゆうちょ銀行の場合
①相続の申し出
被相続人が亡くなったことを「相続確認表」に記入し、ゆうちょ銀行または郵便局に提出します。相続確認表のフォームは銀行のウェブサイトからダウンロード可能です。
②「必要書類のご案内」の受取り
提出後、専門部署(貯金事務センター)から必要書類の案内が郵送されます。
③必要書類の準備
ご案内に従って相続手続きに必要な以下の書類を準備します。
1.相続確認表
2.貯金等相続手続請求書
3.被相続人の出生から亡くなるまでの連続した戸除籍謄本(法務局発行の「法定相続情報一覧図の写し」があれば、3と4の提出は原則不要)
4.相続人全員の戸籍謄本(被相続人の死亡日以後の証明日のもの)
5.相続人全員の印鑑登録証明書(6ヵ月以内のもの)
6.遺言書(遺言がある場合)や遺産分割協議書(遺産分割協議をした場合)
7.被相続人の定期預金の通帳や証書、届出印
8.代表相続人(名義変更を受ける相続人)の本人確認書類(運転免許証等)
9.相続人以外の人が代理で必要書類を提出する場合、ゆうちょ銀行専用の委任状が必要
④必要書類の提出
準備した書類を窓口に提出します。
⑤相続払戻金の受取り
名義変更後、代表相続人の口座に相続払戻金が入金され、通帳や証書が郵送されます。
ゆうちょ銀行以外の金融機関の場合
①相続の連絡
口座を持つ金融機関に被相続人の死亡を伝えます。
②必要書類の準備と提出
ゆうちょ銀行で準備した書類に加え、金融機関指定の払戻請求書を準備して提出します。
③相続払戻金の受取り
必要書類提出後に名義変更された代表相続人の口座に相続払戻金が入金されます。
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