※画像はイメージです/PIXTA

払うべき相続税を払っていなかった場合、ペナルティ(重加算税)が課せられます。それはいかほどのものか、また回避する方法はないのか、解説していきます。

相続税の重加算税の税率は35% or 40%

●相続税の申告書を提出していた場合…35%

●相続税の申告書を提出していなかった場合(無申告)…40%

 

相続税の重加算税は、相続税申告をしていた場合としていなかった場合とで税率が異なります。

 

相続税申告書を提出済だった場合は35%、提出していない無申告の状態だった場合は40%となっています。税務署に申告漏れを指摘され、追加で計上すべき相続財産にかかる相続税の本税部分に対して、この税率のペナルティ(重加算税)が課せられることとなります。以下の計算例で確認してください。

 

重加算税の計算例(申告書提出あり)

申告漏れの相続財産が4億円、そして、それに関して追加で発生する相続税が2億円とします。このケースでは、追加で発生する相続税の2億円に35%を乗じた7,000万円が重加算税の金額となります。

 

重加算税の計算例(申告書提出なし)

申告漏れの相続財産が4億円、そして、それに関して追加で発生する相続税が2億円とします。このケースでは、追加で発生する相続税の2億円に40%を乗じた8,000万円が重加算税の金額となります。

相続税の重加算税はどういった場合にかかるのか

相続税の重加算税が課せられるのは、相続財産を「隠蔽又は仮装した場合」です。要は、相続財産を意図的に隠して申告しなかった場合が該当します。うっかり忘れていた場合には基本的には、この「意図的に」と言う部分に該当しないため重加算税はかかりません。

 

以下に、「国税庁の事務運営指針」に記載されている内容を要約したものの例示を記載しておきますので参考にしてください。

 

(1)財産に関する書類について改ざん、偽造、変造、虚偽の表示、破棄又は隠匿をしていること。

(2)相続財産を隠匿し、架空の債務をつくり、又は事実をねつ造して課税財産の価額を圧縮していること。

(3)取引先その他の関係者と通謀してそれらの者の帳簿書類について改ざん、偽造、変造、虚偽の表示、破棄又は隠匿を行わせていること。

(4)相続人等が、自ら虚偽の答弁を行い又は取引先その他の関係者をして虚偽の答弁を行わせていること及びその他の事実関係を総合的に判断して、相続人等が課税財産の存在を知りながらそれを申告していないことなどが合理的に推認し得ること。

(5)相続人等が、その取得した課税財産について、たとえば、被相続人の名義以外の名義、架空名義、無記名等であったこと若しくは遠隔地にあったこと又は架空の債務がつくられてあったこと等を認識し、その状態を利用して、これを課税財産として申告していないこと又は債務として申告していること。

 

引用:国税庁「相続税及び贈与税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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