一歩間違えば大きな接客クレームにつながることも…お客様対応で「正論を述べること」を優先してはいけないワケ【元ルイ・ヴィトン トップ販売員が解説】

一歩間違えば大きな接客クレームにつながることも…お客様対応で「正論を述べること」を優先してはいけないワケ【元ルイ・ヴィトン トップ販売員が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

接客では、お客様への対応を間違えると深刻なクレームに繋がることもめずらしくありません。例えば、お客様が自社製品について誤りを述べた場合、どのように対応すると訂正も叶い、お客様の気持ちも波立てずに済むのでしょうか。本記事では、元ルイ・ヴィトン トップ販売員の土井美和氏の著書『元ルイ・ヴィトン トップ販売員の 接客フレーズ言いかえ事典』(大和出版)より一部を抜粋・再編集して、お客様の心をつかむフレーズをご紹介します。

クレームには、人と場所を変える

1人でなんとか解決したいという思いから、最初は謝罪してお話を続けていましたが、上司を出せとおっしゃられたため、途中から上司にも対応してもらいました。そして、お席にご案内して、そこでさらにお話をさせていただきました。

 
 

 

自分1人で対応してもなかなかご納得いただけない際には、「人」を変え、さらに「場所」を変えてみることで、お客様も少しずつ落ち着かれることもあります。あとにも先にもこのような大きな接客クレームはありません……。

 

長く勤めていると、会社や扱う商品に対して愛情たっぷりになり、お客様から否定的な言葉を言われると、全力で戦いたくなってしまうこともあると思います。しかし、私たち販売員は、お客様に寄り添うことを優先すべきです。

 

このときのお客様はのちに再来店され、ご希望の商品をお買い求めくださったのですが、不愉快な思いをさせてしまい、心から申し訳なかったと思っています。

 

また、このような販売員の態度や発言に対する「接客クレーム」がある一方で、商品不具合に対する「商品クレーム」もありますよね。商品クレームの場合、正直自分ではどうすることもできない場合が多いため、社を代表してお詫び申し上げるというスタンスで対応します。

 

しかし、会社側の立場しか見えなくなり「私たちはクレームには屈しません!」という態度を貫いてしまうと、「商品クレーム」から始まった話が「接客クレーム」となって、なかなか消せない大火事になってしまうこともあります。

 

どのようなクレームでも、お客様がどの部分に対して残念だと思っているのか、どの部分にご立腹されているのか、それをしっかりと理解し、お客様の立場だったら、と考えることが大切です。

 

お客様の話を伺いながら、「たしかに、私もお客様の立場だったらそう思うかもしれない」と感じるのであれば、それをお伝えすることがあってもいいと思います。「たしかに、この部分が痛んでくるなんて想像もしなかった、とおっしゃるお客様のお気持ちもよくわかります」というように。

 

「おっしゃることはしっかりと理解しました。そのうえでできることとしては……」と、気持ちに寄り添ったうえで、こちら側の意向を伝えることで、お客様にもご理解いただけるのではないでしょうか。

 

 

土井 美和

株式会社Clienteling Advisory

代表取締役

 

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※本連載は、土井美和氏の書籍『元ルイ・ヴィトン トップ販売員の 接客フレーズ言いかえ事典』(大和出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

元ルイ・ヴィトン トップ販売員の 接客フレーズ言いかえ事典

元ルイ・ヴィトン トップ販売員の 接客フレーズ言いかえ事典

土井 美和

大和出版

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