疾病構造が変化…多くのサポートが必要な患者が増加
日本は世界でも類を見ない高齢化率世界一の国であり、「どの国もまだ経験していない高齢化社会」としてこれらの問題に対処していく運命を背負っています。
なかでも高齢患者の受け入れ体制の問題については喫緊の課題といえます。急性期病院を対象にした調査では、入院患者のうち75歳以上が占める割合は6割以上、65歳以上まで幅を広げるとなんと8割超を占めるほどになっています。
負担増で悲鳴をあげる看護師
しかも、要介護認定を受けた高齢者の入院率が高く、在院日数も長いことが示されています。もともと介護が必要な高齢者が入院してくることが多いため、看護師にかかる負担が大きくなっているのです。
高齢で、しかも要介護の患者には、看護師は成人患者の何倍も気を配らなければなりません。おのずと業務負担も増えてしまうのは明らかで、多くの看護師が心身ともにすり減らし、大変な思いをしています。
また、急性期だけでなく回復期や慢性期の病棟においても、高齢患者が増えることで医療従事者にかかる負担は大きくなっています。本来、回復期は在宅復帰を目指してリハビリなどが行われますが、多くの高齢者にとって運動機能を入院前のレベルまで戻すことは困難であることが少なくありません。このような状況から病棟には「自分で自分のことができない高齢患者」が増えているのです。
慢性期の病棟にいる高齢の入院患者のなかには要支援、要介護認定を受けている人も少なくありません。高齢化に伴い食事、トイレ、入浴といった日常生活動作を自立して行えない患者が増えれば当然、看護師などの病院スタッフによる介助が必要になります。
ここ10~20年は一日の大半で介助を必要とする人の割合が増え、いまや逆転しているといっていいくらいです。つまり、自分のことが自分でできる患者は2割程度にとどまり、残りの8割は看護師が何かにつけて介助をしなければならない人たちということです。
なかにはナースコールを自分で押せず、定期的に様子を見に行く必要がある患者もいます。しかし、ほかの業務に忙殺されているとその頻度も少なくなりがちで、痰たんが詰まっていないか、ベッドから落ちていないかなど常に心配していなければならず、気が張りつめっぱなしというのも看護師にとっては精神的にこたえるものです。
青柳 智和
医学博士
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