犬や猫をはじめとしたペットを家族の一員として可愛がっている人も多いでしょう。しかし、自分が高齢になるにつれ最後まで面倒を見てあげられるのかという悩みを持つ人が少なくありません。最後まで責任をもってペットを飼育するために、今からできる準備はしておかなくてはなりません。本記事では、松尾拓也氏の著書『「おふたりさまの老後」は準備が10割』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・再編集し、自分でペットの面倒を見られなくなってしまった場合の対処法などをご紹介します。
■自分がペットの面倒をみられなくなってしまった場合
続いて、長期の入院や要介護状態で自分が面倒をみられなくなってしまった場合や、自分が先立ってしまった場合の備えについてです。この場合、一時的な対応ではなく、今後も続けていけるような選択肢を考えなければいけません。
そうなると、基本的には新たにペットを飼ってくれる友人知人や団体を探すということになりそうです。
ただ、ペットの飼育は思った以上に手間もお金もかかるもの。引き取り手を探すのはそう簡単ではありません。
最近では「ペット信託」といって、将来のペットの飼育のために使うお金を信託財産として残し、信頼できる人や団体にお金の管理や飼育を委ねるという方法も登場してきています。
また、老人ホームならぬ「老犬(猫)ホーム」というのも登場しているようです。
ペット信託や老犬(老猫)ホームは、安心して預けられるサービス内容かどうか、その会社や施設が信頼できるかなどの確認が欠かせません。また、長期にわたってペットを預かってもらうためには、まとまった資金の準備も必要となります。
最近では、数は少ないもののペットと同居できるサービス付き高齢者向け住宅も登場しています。なお、ペットと触れ合うことによって認知症の症状に改善が見られる場合もあるようです。
松尾拓也
行政書士/ファイナンシャルプランナー
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行政書士松尾拓也事務所代表、有限会社三愛代表取締役
行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家
行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家。行政書士松尾拓也事務所代表、有限会社三愛代表取締役。1973年北海道生まれ。
父親が創業した石材店で墓石の営業に従事する傍ら、相続や終活などの相談を受けることが増えたため、すでに取得していた行政書士資格を活かし、相続・遺言相談をメイン業務として行うようになる。信条は、相談者からの困り事に「トータルで寄り添う」こと。
家族信託や身元保証など「新しい終活対策」についても積極的に取り組み、ライフプランや資産管理などの相談に応えるためにファイナンシャル・プランナー、住み替えニーズなどの相談に応えるために宅地建物取引士の資格を取得。ほかにも家族信託専門士、相続診断士、終活カウンセラー、お墓ディレクター1 級、墓地管理士など、終活にまつわるさまざまな資格を取得する。
経営する石材店では、おひとりさまやおふたりさまに好評な樹木葬や永代供養墓、ペットと一緒に入れるお墓など多様なニーズに応える墓苑を運営している。また、インテリアに合うモダンな仏壇の専門店も開設し、現代のライフスタイルに寄り添うご供養を提案している。
さらに地域ぐるみで終活に取り組む必要性にも着目し、他士業の専門家と連携した終活サポートチームを結成。終活セミナーなどの啓蒙活動に取り組むとともに、地域の行政に働きかけて独居高齢者の終活情報登録制度をスタートさせるなど、多方面で活動の場を広げている。
一人ひとりの「ライフエンディングシーン」(人生の終末期)で、最も頼りになるパートナーとなるべく、全方位視点で積極的な事業展開を行っている。趣味は本と酒と旅、ちょっと古めのクルマとバイク、座右の銘は「遊ぶように仕事し、仕事するように遊ぶ」。普段から「サムシングエルス(何か別の価値)を提供する」ことを大切にしている。
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