(画像はイメージです/PIXTA)

不安定ながらも円高傾向が続く値動きのなか、「円安トレンド」の転換が予感される現在、「米ドル円」に対する世の中の関心はかつてないほどに高まっています。そこで、来週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな、先週の米国経済の動きについて、東京海上アセットマネジメントが解説します。

電気製品、自動車同部品の売上高は顕著な伸び

米商務省が公表した2024年7月の小売売上高は前月比+1.0%と、市場予想(同+0.4%)を大幅に上回りました(図表5)。

 

出所:Bloomberg
[図表5]小売売上高の推移 出所:Bloomberg

 

加えて、6月が速報値の前月比▲0.0%から同▲0.2%へ下方修正されている点を踏まえても、7月の結果は強いと言えます。

 

四半期ベースでみると、2023年7-9月期に前期比+1.4%と高い伸びを示した後、10-12月期に同+0.8%へ減速し、2024年1-3月期に同▲0.2%と失速しました。しかし、4-6月期に前期比+0.5%と持ち直した後、7月は4-6月期対比で+0.9%の大幅なプラスとなりました。

 

7月の小売売上高を業種別にみると、衣料品(前月比▲0.1%)や娯楽用品(同▲0.7%)が前月を割り込んだ一方で、電気製品(前月比+1.6%)や自動車同部品(同+3.6%)などが顕著な伸びを示しました(図表6、7)。

 

出所:Bloomberg
[図表6]小売売上高の内訳 出所:Bloomberg

 

出所:Bloomberg
[図表7]小売売上高(主要業種別)の推移 出所:Bloomberg

 

自動車同部品が高い伸びとなった背景には、6月にサイバー攻撃による自動車ディーラーのシステム障害によって、自動車販売が大きく落ち込んだ反動があるとみられます。

 

もっとも、変動の大きい自動車同部品などを除いたコア小売売上高は、6月(前月比+0.9%)の高い伸びの反動もあって、7月に前月比+0.1%へ鈍化すると予想されていたものの、実際は前月比+0.3%と強い結果となりました。四半期ベースでは、2024年1-3月期の前期比+0.3%から4-6月期に同+0.8%へ加速した後、7月は4-6月期対比で+1.1%の高い伸びとなりました。

 

2024年4-6月期の実質GDPは前期比年率+2.8%と、個人消費がけん引する形で高成⻑が実現しました。GDPのうち、個人消費の推計に用いられるコア小売売上高が、7月時点で高い伸びをしている点は、7-9月期も個人消費主導の高い成⻑率が実現することを示唆しています。7月の小売売上高などの経済指標を反映したGDPNow(アトランタ連銀が8/15に公表)の試算によると、7-9月期の実質GDPは前期比年率+2.4%と、4-6月期に続き、2%程度とされる潜在成⻑率を上回る成⻑が続くと予想されています。

(※)アトランタ連邦準備銀行が、リアルタイムに米国の経済成⻑率を予測することを目的 に公表している指標

 


東京海上アセットマネジメント

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…8月第3週の「米国経済」の動き』を参照)。

 

 

※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。

※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。

 

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※本連載は、東京海上アセットマネジメントのレポート『〜TMAMマーケットウィークリー(8/12~8/16)~』より一部を抜粋し、再編集したものです。
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