相続税の税務調査当日の流れ…何をどこまで調べるのか
相続税の税務調査における実地調査は、通常は事前に決めた日の朝10時から、被相続人か相続人の自宅で行われます。税務職員2名で来ることが多く、ほとんどの場合は1日で終了します。
■相続税の税務調査当日の流れ
・午前10時~正午
税務署のマニュアルに基づいた質問がメイン、聞きたいポイントを中心にヒアリングされます。
・正午~午後1時
お昼休憩で、税務職員は午前の質問に対する答えを元に、午後にどういった話をするのかの打合せを行っています。税務職員は必ず外に出ますので、昼食を相続人側で準備する必要はありません。
・午後1時~午後3時頃まで
午後は具体的な資料の確認(通帳等)や、金庫やタンス等の貴重品の保管場所の確認を行った後に、具体的な指摘事項の通知があります。
通常午後3時~午後5時頃までには帰っていきます。
非協力的な態度を示すと税務署職員の心象が悪くなってしまうので、協力的な態度で接するのがポイントです。
また、午前中に行った質問に対する回答について、書面にまとめたものへ相続人の一筆を求められることもあります。質問に回答した内容を書面にしたものですが、後で証拠の一部となります。立ち会ってもらっている税理士に、必ず書面の内容を確認してもらってからサインするようにしましょう。
税務調査は何をどこまで調べるの?
相続税の税務調査(実地調査)では、税務職員は具体的に何を見ているのでしょうか? 事前調査との相違がないかの事実確認はもちろん、以下の内容を主に調べているので参考にしてください。
・金庫やタンス
申告されていない預金通帳・タンス預金・権利証などがないかを確認
・動産
申告されていない高価な骨董品や絵画が自宅にないか確認
・金融機関の景品
申告されていない金融機関がないかを確認
・預金通帳
事前調査と相違ないか確認
・ゴルフ大会のトロフィー
ゴルフ会員権の有無を確認
税務調査当日、午後からは具体的な資料の確認等が行われますが、その中で次のような質問があります。
税務署「ご主人(故人=被相続人)が通帳や現金、印鑑を保管していた場所を見せてください」
しかし中には寝室やタンス等、プライベートな空間にまで税務職員に入ってほしくないという事情が存在する場合もあるでしょう。そのような際には次のように対応すると、認められることがほとんどです。
ただし保管場所を見せなければ、税務職員によっては「何か隠しているのではないか」という心象を持つ場合もあるため、特段の事情がなければ協力すると良いでしょう。
相続税の税務調査当日までの事前準備
ここまで解説してきたように、相続税の税務調査の当日には様々な資料の開示を求められます。スムーズに完了させるためにも、以下の資料の事前準備をおすすめします。
■事前準備しておくと良い資料
・相続税申告で使用した資料一式(原本)
・被相続人の通帳一式(原本)
・相続人の通帳一式(原本)
・相続人所有の土地の権利証
・不動産購入時の資料等の重要な資産に関する資料
・相続人の認印
こちらから積極的に上記資料を見せる必要はなく、税務調査当日に税務職員に言われてから出せば大丈夫です。
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