夫婦の返済プランがはらむ「破産」の危険性
A夫婦によると、購入予定のマンションの価格は、諸経費などを除いて7,800万円だそう。予算上限よりも100万円オーバーですが、そこは納得しているとのことでした。7,800万円のうち800万円は準備していた頭金を入れ、残りの7,000万円をAさんが5,000万円、Bさんが2,000万円、C銀行のペアローンで返済する流れとなっています(借入期間30年)。
購入後、毎月の返済額は、Aさんが14万9,595円、Bさんが5万9,838円で、夫婦で20万9,433円です。現在の家賃と比べて毎月5万円ほど負担が増えるものの、その分は外食や旅行の回数を減らすことで十分補えるという算段です。
ここで気をつけなければならないのが、銀行から借りられる金額と、滞りなく返済できる金額は異なるということ。よって、銀行から融資を受ける金額の目安は、上記の年収倍率のほかに、返済比率も考慮しなければなりません。
返済比率とは、額面の年収に占める年間のローン返済額の割合のことで、おおむね30~35%以内であれば融資を受けられると言われています。しかし、筆者はこれまでの業務経験から、住宅ローンを滞りなく返済するには「返済比率15%~20%」が妥当だと感じていました。そのため、A夫婦の返済比率はAさんが25.6%、Bさんが17.5%(平均21.5%)と若干高いように感じます。
また、金利について、今後は上昇が見込まれるとの説明を受けた夫婦でしたが、実際にあがってから考えることとして、年利0.5%の変動金利型ローンで考えているとのことでした。
ここまで聞いた筆者は、まず、夫婦の描いている通りにライフシミュレーションを実施しました。その結果、Aさんが定年予定の65歳で、住宅ローンは完済できる予定です。
しかし、退職金を考慮しても、Aさんが70歳を過ぎるころから家計が傾きはじめ、最悪の場合、破産に向かうかもしれないということが分かりました。
杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>
注目のセミナー情報
【海外活用】12月7日(土)開催
従来の分散投資で資産を守れるのか?
新時代の富裕層が実践する
金融大国「シンガポール」や「フィリピン永住権」を活用した新・資産防衛法
【国内不動産】12月7日(土)開催
元サラリーマン大家の現役投資家社長が伝授…
インバウンド需要を逃すな!
《札幌・民泊投資》で勝ち組になる方法