(※写真はイメージです/PIXTA)

税制メリットが非常に大きい「iDeCo(個人型確定拠出年金)」ですが、なかには「やらない」という選択肢をする人もいるようです。積み立てている期間も、受け取るときも、両方で税金の負担が軽くなるのにもかかわらず、なぜ利用しないのでしょうか? 本記事ではなかのアセットマネジメント代表の中野晴啓氏が著書『1冊でまるわかり 50歳からの新NISA活用法』(PHP研究所)より、確定拠出年金の注意点について解説します。

確定拠出年金の税制メリット

確定拠出年金の税制メリットは、まず、運用益に対する税金が非課税になることです。これはNISAと同様で、効率よく資産を増やすことができます。

 

さらに、企業型の場合、従業員の確定拠出年金口座に拠出する掛け金は企業が拠出しますが、所得税・住民税の課税対象にならず、社会保険料を算出する際の報酬額からも除外されます。つまり、所得税・住民税や社会保険料(自己負担分)の負担が軽減されることになります。

 

iDeCoの場合は、積み立てる額について所得控除が適用されるため、所得税・住民税が軽くなります。確定拠出年金で運用したお金は、原則として60歳になると受け取ることができます。その際には税金がかかるのですが、一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金方式で月々受け取っていく場合は「公的年金等控除」という所得控除を受けることができます。

 

したがって、税制メリットだけで比較するならば、NISAよりも確定拠出年金のほうが有利になるかもしれません。とはいえ、前述したように確定拠出年金はあくまでも社会保障制度のひとつとして位置付けられているものなので、一度加入してしまったら、「やっぱりやめた」とはいえない制度的な縛りがあります。

 

もちろん、NISA・新NISAと確定拠出年金の両方で老後のための資産形成をできるなら、それに越したことはありませんが、まずは自由度の高いNISA・新NISAから資産形成をスタートさせ、余裕があれば確定拠出年金を利用するという流れがいいのではないでしょうか。

 

 

中野 晴啓

なかのアセットマネジメント株式会社

代表取締役社長

 

注目のセミナー情報

​​【国内不動産】11月9日(土)開催
実質利回り15%&短期償却で節税を実現
<安定>かつ<高稼働>が続く
屋内型「トランクルーム投資」成功の秘訣

 

【海外不動産】11月12日(火)開催
THE GOLD ONLINEセミナーに
「アンナアドバイザーズ」初登壇!
荒木杏奈氏が語る「カンボジア不動産」最新事情

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

本メディア並びに本メディアの記事は、投資を促すことや、特定のサービスへの勧誘を目的としたものではございません。また、投資にはリスクがあります。投資はリスクを十分に考慮し、読者の判断で行ってください。なお、執筆者、製作者、株式会社幻冬舎ゴールドオンライン、幻冬舎グループは、本メディアの情報によって生じた一切の損害の責任を負いません。

1冊でまるわかり 50歳からの新NISA活用法

1冊でまるわかり 50歳からの新NISA活用法

中野 晴啓

PHP研究所

2024年1月にスタートする「新NISA」を使った 今からでも間に合う老後資金の作り方を徹底解説 利率の低い銀行預金だけでは、資産はなかなか増えない。インフレも続き、老後のお金に不安を感じる人はますます増えているだろ…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録