前回は、保険への加入を「先延ばし」にしてはいけない理由を説明しました。今回は、なぜ保険に加入する際は必ず「プロ」に相談すべきなのか、その理由を見ていきます。

インターネットの情報では、保険のすべてはわからない

これまで、あまりにも健康なうちに、若いうちに保険に加入してほしいと言い続けてきたせいで、「自分はもう歳だから・・・」「持病があると無理なのか」と諦めの気持ちになってしまった方がいらっしゃるかもしれません。

 

たしかに、高齢だったり、健康に問題があったりする場合、保険の選択肢はどうしても限られてしまいます。

 

しかし、諦める必要はありません。私の会社では生命保険23社、損害保険16社を扱っていますから、どんな条件のお客様であっても、最大限、可能な限り保険提案をします。選択肢は少なくなるかもしれませんが、もし一つでも候補に挙がる保険があるのならば検討する価値はあります。

 

例えば妊娠している女性でも、保険加入を諦める必要はありません。保険会社の中には「妊娠○週目までは加入可能」という保険を募集している会社もあります。

 

決して自己判断で諦めないで、保険のプロに相談してみてください。保険のプランナーは、皆さんの味方でありたいと思っています。どんなに些細なことでも、相談してほしいと願っています。

 

インターネットで得る情報では、保険のすべてはわかりません。パンフレットを隅々まで読んでも、決して書かれていない情報もあります。

 

例えば保険金の給付の話です。保険のパンフレットには、どんなときに保険金が給付されるかということは書かれていますが、入院費の請求には診断書がいるのか、先払いは可能か、それとも事前に立て替えて領収書で精算するのかといったことは書かれていません。

 

特に先進医療は高額ですから、立て替えなのか、それとも先払いで給付されるのかでは、大きく変わってきます。保険会社によって、請求から何日後に給付金が支払われるのかも異なります。

 

その他にも、保険には節税効果があることをご存じでしょうか。年末調整や確定申告のときに生命保険の控除枠があるのは知っていると思いますが、個人年金保険は死亡保険や医療保険とは別に控除枠が設けられています。両方の保険に加入していれば、控除枠が増えるので節税につながります。

 

このような、保険を選ぶときには大切な判断材料になるはずの情報も、保険のパンフレットを見ても、約款を見ても、書かれているとは限りません。でも保険のプロであれば、そのような情報も必ず持っていますから、皆さんが保険を選ぶにあたっても的確なアドバイスができるでしょう。

 

どの保険会社の外交員でも、どの保険ショップのプランナーでも、ポンコツでない限り、熱意を持って仕事をしている人たちは、皆さんの味方です。

たとえプランナーが変わっても、データは引き継がれる

私の会社の女性プランナーがこんなことを言っていました。

 

「お客様から電話がくると、ドキッとします」

 

なぜ、彼女がそのように感じてしまうのか。その理由は

 

「電話の要件が、引っ越しの住所変更とか、ライフプランの見直しの依頼ならよいのです。でも、もしかしたら病気になったのかもしれない、事故に遭ったのかもしれない、亡くなってしまったのかもしれない・・・と思うと心配でたまらなくなります。電話に出るまでの数秒間にいろいろと考えてしまうのです」

 

と言います。

 

保険のプランナーは、死亡保険の保険金を遺族に届けて、初めて一人前と言われます。自分の担当のお客様の保険が役に立つ瞬間を、身をもって経験して、初めて一人前になるのです。

 

だからこそ、いい加減な仕事はできません。改めて保険のプランニングに真剣に取り組まなければいけないのです。悲しみに暮れるご家族に「最後のラブレター」に書かれた経済的な安心を届ける、それが私たちの仕事でありミッション=使命! なのです。

 

お客様からの電話にドキッとするのは、プランナーに共通の心理かもしれません。それでも、プランナーはお客様から相談を受けることに対して喜びを感じています。

 

もしかしたら、担当のプランナーが代わることがあるかもしれません。保険会社も保険ショップも、会社ですから異動もありますし、定年で会社を去る社員もいます。でも、きちんとした会社ならしっかりとデータの引き継ぎは行っていますから、お客様へのフォローに何一つ不安材料はありません。

 

お客様が引っ越したり、転勤したりしても同じです。全国展開している保険会社や保険ショップなら、どこでも同じサービスを受けることができます。

 

ですから、安心して保険のプロに「役に立つ保険の加入」「最後のラブレターの作成」を頼ってください。相談してください。それが私たちの仕事であり、使命であり、誇りであり・・・そして心からの願いです。

本連載は、2015年6月26日刊行の書籍『死亡保険金は「命の値段」』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

死亡保険金は「命の値段」

死亡保険金は「命の値段」

杉山 将樹

幻冬舎メディアコンサルティング

命とお金に関わる保険は、生きている限りほとんどの人にとって必要不可欠な金融商品ですが、近年、その種類や保障内容が多様化・複雑化しています。 加入者は要望に合わせて自由に保険を選べるようになったものの、その選び方…

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