資産家の親の相続に悩む経営者、相続税の試算“数千万円”に思わず唸るも、最後は母親の目に嬉し涙…全員が幸せになった「3つの提案」とは【経営者専門FPが解説】

資産家の親の相続に悩む経営者、相続税の試算“数千万円”に思わず唸るも、最後は母親の目に嬉し涙…全員が幸せになった「3つの提案」とは【経営者専門FPが解説】
(写真はイメージです/PIXTA)

両親から受けた経済的支援を返済しないまま法人を経営する相談者から舞い込んだ「両親の相続税対策」についての依頼。不動産事業を個人で行う両親の資産にかかる相続税は数千万円……。今からできる対策とは? 本稿では、株式会社FPイノベーションの代表取締役・奥田雅也氏が、相談事例を基に解決のポイントを解説していきます。

両親への状況説明

当日、少し緊張をしたAさんと私で、Aさんのご実家へ向かいました。その道中も「このアパートは親父の名義です」とか「ここの畑も親父の名義のはずです」など案内をしていただき、いよいよ到着しました。

 

ご両親は70歳後半ですが、お元気そうな様子でした。私を見て「この人は?」と戸惑いの様子を見せられたので、「実はAさんの会社経営についてアドバイスをさせてもらっている保険屋です。今日は会社の現状を報告させて頂くためにご一緒させていただきました」。名刺を差し出すと、怪訝な表情をしながらも「そうですか。それはご苦労様です」と居間に通していただきました。

 

お母様が淹れたお茶を置いて、それに口をつけたところで、事前の打ち合わせ通りにAさんから「おかげ様で最近になって、なんとかやれるようになりました」と切り出してもらいました。Aさんのお話をお父様はじっと黙って、お母様は心配そうに聞かれていましたのが印象的でした。

 

話し終えたAさんがカバンから決算資料と月次試算表を「今はこんな感じ」と照れ臭そうに出しました。お父様は資産家で個人事業として不動産事業を行なっているので、多少なりとも決算資料はご理解できる様子で、ざっと一通り目を通して「そうか……でもまだまだ厳しそうやな」とだけおっしゃられました。

 

少し重たい空気になったので、私があとを引き継いで決算書と月次試算表をゆっくりと丁寧に説明し、見た目の数字ほどは悪くない状況をお伝えしました。お父様はいくつか質問を交え、頷きながらじっくりと聞いていました。そして、それなりにご安心をされた様子で、「まぁ景気はよくないけど、このまましっかり頑張れよ」とだけおっしゃいました。

 

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