資産家の親の相続に悩む経営者、相続税の試算“数千万円”に思わず唸るも、最後は母親の目に嬉し涙…全員が幸せになった「3つの提案」とは【経営者専門FPが解説】

資産家の親の相続に悩む経営者、相続税の試算“数千万円”に思わず唸るも、最後は母親の目に嬉し涙…全員が幸せになった「3つの提案」とは【経営者専門FPが解説】
(写真はイメージです/PIXTA)

両親から受けた経済的支援を返済しないまま法人を経営する相談者から舞い込んだ「両親の相続税対策」についての依頼。不動産事業を個人で行う両親の資産にかかる相続税は数千万円……。今からできる対策とは? 本稿では、株式会社FPイノベーションの代表取締役・奥田雅也氏が、相談事例を基に解決のポイントを解説していきます。

不動産持ち、生命保険ナシの両親。資産にかかるヘビーな相続税

少し場が和んだところを見計らって、私のほうから「ところで、今日こちらへの道中Aさんから教えていただいたのですが、かなり不動産をお持ちなんですね。その管理も大変ではないですか?」と投げかけをしました。

 

それに対しては「ええまぁ」とお茶を濁すような反応しかなかったので、私の方から顧客に経営者で資産家の方が多いこと、大阪の不動産市況のこと、多くの資産家が悩まれている一般的なお悩みや事例などを一通りお話ししました。

 

するとお父様がおもむろに立ち上がって「実はね……Aには一切言っていないけど、先日、とある業者に相続税の試算をして貰ったんですよ」と言って、その資料を持って来られました。その資料の表紙には有名な不動産業者と某税理士法人の名前が入っており、ページをめくりながら「概算ではこんな税額らしいです」と私に見せられました。

 

そこに書かれていた税額は数千万円と、それなりの金額が書かれており、横で見ていたAさんが思わず「うわぁ〜」と声に出す金額でした。お父様に許可を得て、そのシミュレーション資料を拝見したところ、課税財産には所有されている不動産や金融資産だけでなく、Aさんへ貸付した金額も記載されており、ある程度きちんと試算がされている様子が伺えました。

 

ただ気になったのが、生命保険金と死亡退職金の記載がなかったこと。確認をすると、ご両親ともに生命保険は一切加入しておらず、不動産事業は個人事業で行っていました。それをお伺いしてから、私は持っていた紙とボールペンを出して家系図を書きながら、相続財産の非課税枠について説明を行いました。

 

ご両親は興味深そうに聞きながら、時折質問も交えてようやくご理解をされた様子でした。一通り聞き終えたところで「で、どうすればよいのですか?」と質問をされましたので、私の方から「もしよろしければ次の機会に具体的な提案をさせて下さい」とお願いをして了承をいただき、3時間近い面談を終えて退出しました。

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