個人消費支出は横ばい
個人消費については、6月の小売売上高(前月比)が減速予想に対して横ばいとなり、4、5月にみられた減速の動きが続かなかったため、1-3月期対比で伸びを高めた格好となりました。個人消費のうち、サービス(1-3月期:前期比年率+3.3%→4-6月期:同+2.2%)の増勢が鈍化したものの、財(前期比年率▲2.3%→同+2.5%)の持ち直しがけん引しました。
財のうち、耐久財では家具などが前期比年率+7.0%(1-3月期:同+0.3%)と増勢を強めたほか、娯楽用品(1-3月期:前期比年率▲2.4%→4-6月期:同+4.8%)、自動車(前期比年率▲14.0%→同+4.8%)ともに増加に転じました。もっとも、自動車は5四半期ぶりに増加も、均せば自動車ローン金利の上昇などを映じて低調に推移していると言えます。
非耐久財では衣料品が前期比年率▲2.9%(1-3月期:同+3.3%)と4四半期ぶりに減少したものの、食料が前期比年率+1.8%(1-3月期:同▲0.2%)、ガソリンが前期比年率+6.2%(1-3月期:同▲11.6%)と持ち直しました。
サービスでは、飲食宿泊サービス(13月期:前期比年率▲3.3%→4-6月期:同+1.0%)が持ち直したものの、医療サービス(前期比年率+7.2%→同+4.0%)や金融保険サービス(前期比年率+5.6%→同+1.6%)は、減速しました。
金融引き締めの影響などにより低迷が続いていた住宅投資は、2023年10-12月期の前期比年率+2.8%から2024年1-3月期に同+16.0%へ、大きく伸びを高めたものの、4-6月期は住宅ローン金利が高止まりするなか、4四半期ぶりに減少しました。
一方、設備投資は前期比年率+5.2%と1-3月期(同+4.4%)から伸びが加速しました。金融引き締めの影響により、高い伸びを示した2023年前半から鈍化傾向が鮮明となっていたものの、その後は増勢を強めています。この結果、これらを合計した国内最終需要は実質GDPに対して前期比年率+2.7%のプラス寄与となり、プラス幅は1-3月期(同+2.5%)から拡大しました。
国内最終需要以外では、底堅い内需を映じて、輸入が前期比年率+6.9%(1-3月期:同+6.1%)と高い伸びとなった一方で、海外経済の減速を背景に、輸出(1-3月期:前期比年率+1.6%→4-6月期:同+2.0%)は、低い伸びが続いています。この結果、純輸出(輸出-輸入)は、実質GDP成⻑率に対して、前期比年率▲0.7%のマイナス寄与(1-3月期:同+0.2%)となりました。
物価動向を示す個人消費支出(PCE)デフレーターは、前期比年率+2.6%(1-3月期:同+3.4%)、食料品とエネルギーを除くコアPCEデフレーターは、前期比年率+2.9%(1-3月期:同+3.7%)とインフレ鎮静化の進展を示す結果となりました(図表3)。
東京海上アセットマネジメント
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…7月第4週の「米国経済」の動き』を参照)。
※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。
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