(画像はイメージです/PIXTA)

不安定ながらも円高傾向が続く値動きのなか、「円安トレンド」の転換が予感される現在、「米ドル円」に対する世の中の関心はかつてないほどに高まっています。そこで、来週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな、先週の米国経済の動きについて、東京海上アセットマネジメントが解説します。

小売売上高…市場予想を上回り「前月比+0.4%」

⽶商務省が公表した2024年9⽉の⼩売売上⾼は前⽉⽐+0.4%と、市場予想(同+0.3%)を上回りました(図表1)。

 

出所:Bloomberg
[図表1]⼩売売上⾼の推移 出所:Bloomberg

 

個⼈消費の源泉である賃⾦が底堅さを維持する下で、インフレ抑制が消費者の購買⼒を押し上げ、消費の拡⼤につながっているとみられます。

 

9⽉の⼩売売上⾼を業種別にみると、ヘルスケア(前⽉⽐+1.1%)や⾷料・飲料(同+1.0%)といった⽣活必需品に加え、⾐料品(同+1.5%)などの業種が前⽉から増加しました(図表2)。

 

出所:Bloomberg
[図表2]⼩売売上⾼(主要業種別)の推移 出所:Bloomberg

 

⼀⽅、原油価格の下落の影響によりガソリンスタンド(前⽉⽐▲1.6%)が落ち込んだほか、家具(同▲1.4%)や電気製品(同▲3.3%)などの耐久消費財は振るわず、不要不急の⽀出を抑制する動きもみられています。もっとも、耐久消費財については、住宅販売の落ち込みも影響していると考えられます。

 

変動の⼤きい⾃動⾞同部品などを除いたコア⼩売売上⾼も、前⽉⽐+0.7%(8⽉:前⽉⽐+0.3%)と5ヵ月連続でプラスとなり、堅調さを維持しています。

 

四半期ベースでは、2024年1~3⽉期の前期⽐+0.3%から4~6⽉期に同+0.8%へ加速したあと、7~9⽉期は同+1.6%へ伸びを⼀段と⾼める格好となりました。GDPのうち、個⼈消費の推計に⽤いられる⼩売売上⾼が底堅さを維持していることを踏まえると、7~9⽉期も個⼈消費主導の⾼い成⻑率が実現する公算が⼤きいと考えられます。

 

9⽉の⼩売売上⾼を反映したGDPNow(アトランタ連銀が10/17公表)の試算によると、7~9⽉期の実質GDPは前期⽐年率+3.4%と4~6⽉期の同+3.0%(実績値)を上回る成⻑率が実現することが予想されます。

(※) アトランタ連邦準備銀⾏が、リアルタイムに⽶国の経済成⻑率を予測することを⽬的に公表している指標

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※本連載は、東京海上アセットマネジメントのレポート『〜TMAMマーケットウィークリー(10/14〜18)~』より一部を抜粋し、再編集したものです。
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