(※写真はイメージです/PIXTA)

2023年家計調査「貯蓄・負債編」によれば、最も金融資産を保有する年代は70代以上で、全世代の金融資産合計の約27%を占め、金融資産のうち平均約18.7%を株式や投資信託などの有価証券で保有しています。インフレ対策として一部の資産を有価証券で保有するケースもあれば、資産承継を踏まえ多くの資産を有価証券で保有するケースもあるなど、保有状況は人によって異なりますが、もしそれらの資産を老後資金として活用することを想定されるなら、なんらかの対策をとっておかないと絵にかいた餅、使えない資産となる恐れも……。本記事ではAさんの事例とともに、老後の資産運用の落とし穴について、オフィスツクル代表の内田英子氏が解説します。

認知症になる前提で対策

Aさんには株式などの有価証券の資産はあったのに、なぜ夫婦の老後資金が枯渇してしまう事態になってしまったのでしょうか。

 

要因としてまず挙げられるのは、資産のほとんどを不動産と有価証券が占めていたにも関わらず、認知機能低下に備えた対策がなにも取られていなかった点です。Aさんは店舗のある証券会社で口座を持っていました。有価証券の売買は本人が行うこと、とされていますから、本人が売却と出金を指示できなければ、資産は引き出すことができなくなります。もし認知機能の低下に備えるために対策をとるのであれば、銀行や証券会社で代理人登録を行ったり、任意後見制度や家族信託を利用したりといった方法が考えられます。

 

また、もうひとつの要因として、妻自身の年金と資産の少なさも挙げられるでしょう。もし妻自身の年金や資産が幾分かあれば、ほそぼそとでも独力で生活を維持していくことは可能だったかもしれません。

 

Aさんの妻によると、自身の親など近しい親族には認知症になった人がこれまでいなかったため、対策など考えてもいなかったとのことです。しかし、いつなにが起こるかは誰にもわかりません。高齢期にも運用を継続していくためにはライフプランと照らし合わせながらの適切な対策が求められます。

 

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内田 英子

FPオフィスツクル

代表

 

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