前回は、フィリピンの賃貸物件入居者が求める「インテリア」とは何かを、現地の事情とともに説明しました。今回は、フィリピンの不動産会社との上手な付き合い方を見ていきます。

専任媒介や一般媒介のような違いはなし

フィリピンでは不動産会社との契約方式は、「専任媒介」「一般媒介」のような形で分かれていません。複数のブローカーに仲介を依頼しますが、鍵はオーナー、もしくは委託を受けた管理会社が持っていて、ブローカーには絶対に渡しません。

 

私たちの会社が管理している物件であれば、もちろん自社で客付けするのが大前提です。しかしお客様と私たちの会社、そして他社が関わることでwin‒winの結果が出るのであれば、持っている物件情報は公にするべきだと考えています。

人対人のコネクションが幅を利かせるフィリピン

ただ、同様の考えを持っている会社は少ないのが実情です。「後から来た会社には情報は出したくない」といった見えないライバル心があるのは、人情でしょう。もちろん、日本でいう系列や派閥のようなものも存在します。

 

 

とりわけアナログな仕組みが残っていて、人対人のコネクションが幅を利かせるフィリピンでは、どのように人脈を構築していくかが重要です。そんな中で、私たちの考えは、「情報を抱え込まないことで、自社の利益が減っても他社とのつながりができる。そして新たなコネクションやルートが開拓できれば、それが新たなチャンスにもなる」というものです。

 

それぞれの仲介会社によって、持っている販路やお客様が違います。それぞれの駐在員のルート、ローカルのルート、出稼ぎに来ている外国人のルート、派遣社員のルート。それらへ情報を拡散していくことで、マッチングを促し、空室を埋めていくことが可能になります。

本連載は、2016年2月27日刊行の書籍『億万長者になりたければ、フィリピン不動産を買いなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

鈴木 廣政・渡辺 頼子

幻冬舎メディアコンサルティング

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