税務調査は申告漏れの発見を目的に行われます。税務調査時に調査官から投げかけられる質問には目的があり、それを理解したうえで対応することが重要です。※本記事は、公認会計士・税理士・行政書士の深代勝美氏の著書『改訂3版 ゼロからはじめる相続 必ず知っておきたいこと100』(あさ出版)の中から一部を抜粋・再編集したものです。
税務調査を受けた場合、どのように対応したらよいですか。
◆調査当日は事前に準備した通りに対応する
調査当日の午前中は財産形成の背景を知るために「世間話」のような形で調査が始まります。世間話をしながら、調査官は主に以下の3つのポイントを聞き出そうとします。①被相続人の職歴・病歴など②相続人の職業、家族の仕事の状況など③被相続人の趣味
このような質問をすることで、財産の形成過程、財産の管理方法、貴金属・骨董品・高級車といった奢侈(しゃし)財の有無などを知ろうとします。
調査官がよくいうセリフとその調査意図を一覧にしたので(下記の図表1)、参照してください。税理士と事前の準備をしておくとよいでしょう。
また、調査で指摘された問題に関して「納得できない」「交渉したい」と思ったら、税理士から調査官に交渉してもらうのが効果的です。
なお、調査中の調査官に不適切な態度があったら、税務署の総務課長に抗議するとよいでしょう。
深代税理士法人 理事長
株式会社アンテックス 代表取締役社長
公認会計士・税理士・行政書士・経営コンサルタント
1974年、東洋大学卒業とともに公認会計士二次試験に合格。グローバルな環境で自分を鍛えるべく、世界有数の会計事務所であるデロイト・ハスキンズ&セルズの日本事務所に入所。SEC監査(米国証券取引所に上場されている会社の監査)にたずさわった。1985年、深代会計事務所を設立、2002年、税理士法人として法人化。日本公認会計士協会東京会副会長などを歴任した。
土地資産をはじめ、事業承継、相続税などに造詣が深く、不動産の有効活用、法人利用による節税など、さまざまな角度から新鮮なとらえ方で、効果的な税務対策を追求。わかりやすくて軽快な解説が好評を博し、顧問先は、法人1,100社、個人3,000名に上る。
著書に『最適解のための事例詳説 相続税・贈与税Q&A』(清文社)、『不動産の活用法、プロがきちんと教えます』『地主さん! 土地活用、そのままでは大損です』『地主さん、その税金は払いすぎ!』(いずれも共著、以上あさ出版)、『失敗しないアパート経営と管理』(共著、三水社)がある。
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