タンス預金は税務調査の「重点項目」
国税庁の「令和4事務年度における相続税の調査の状況」によると、相続税の税務調査で申告漏れがあった財産の種類は「現金、預貯金」が全体の69.1%を占め、申告漏れの金額は825億円にのぼります。
同資料によると、相続税の実地調査の件数は8,196件で、実地調査が実施された全体の85.8%が、申告漏れなどの指摘を受けて追徴課税されています。
これはつまり、税務署は「現金、預金」の発見に力を入れていることがわかります。したがって、タンス預金は相続税の税務調査において「重点項目」となっているのです。
税務署からの指摘による追徴税額は合計669億円で、実地調査1件あたり816万円となっており、「想像以上に多額の相続税を追徴された」という人が少なくありません。
税務調査で未申告のタンス預金が見つかると、本来の税額のほか、過少申告加算税に加え重加算税がかかる場合があります。重加算税は遺産の仮装・隠ぺいがあるときに課されるもので、本来の税額に35~40%される非常に重いペナルティです。
隠していた金額が大きく悪質な場合は国税局が検察に告発することもあります。裁判の結果、罰金刑を含めた有罪判決が下されることもありますのでお気をつけください。
宮路 幸人
多賀谷会計事務所
税理士/CFP
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