物忘れが増えた82歳母への危機感…
「家族信託を作って本当によかった。母も安心して、施設に入りました」
こう語るのは、坂東家(仮名)の長女の陽子さん(仮名・58歳)。実際に組成した家族信託の仕組みが、添付の図です。二女の貴子さん(仮名・56歳)は、帰省したときに、ひとり暮らしの母親(82歳)の物忘れが増えたことに危機感を覚え、私の家族信託のセミナーを受講。
早めに対策をしたほうがよいと思った貴子さんは、すぐに、母親の近くで暮らす姉の陽子さん、他県で暮らす弟の浩之さん(仮名・50歳)とLINEで3人のグループを作り、お母さんの認知症対策を呼びかけました。
陽子さんの反応は、いまいちでしたが、浩之さんからは「認知症になると、預金がおろせなくなるんだろう。そうなったら、介護の費用は、俺たちで出さなくちゃならないけど、うちには、そんな余裕はないぞ」との反応が。
母親がまだ判断能力のあるうちに確認
後日、貴子さんの依頼を受けて、坂東家の家族会議に参加しました。「資産凍結」の話、「成年後見制度」の話、そして「認知症の対策としての家族信託」の話をしました。結果、ご家族で家族信託を組成することを決めました。
お母様とも面談して、判断能力があることを確認。勉強会のような家族会議を何度か繰り返して、運用の形が決まっていきました。近くに住む陽子さんが受託者、貴子さんが受益者代理人、浩之さんが後継受託者に。信託財産は預貯金の8割と自宅不動産。母親が施設に入って、預貯金が底をついたら、自宅を売ることもみんなで決めました。もちろん、お母様にはその旨を隠さず伝えて、理解してもらいました。
お母様本人も「最近物忘れが多くなって、不安だったの。あんたたちに迷惑かけちゃいけないと思って、ずっと黙っていたのよ。これでいつボケても大丈夫ね」と笑って本音を語ってくれました。
あれから2年たった現在、お母様は認知症と診断されて、施設に入っています。子どもたちに迷惑はかけられないと、早めに自ら判断して、陽子さんと一緒に施設を選んで入所を決めました。
安田 まゆみ
ファイナンシャルプランナー
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