(※写真はイメージです/PIXTA)

将来の生活への不安が増すなか、投資による資産形成を促す声が高まっています。「貯金だけでは食っていけない時代」になった……ともいえますが、新NISAや個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)に過度な期待をしすぎるのも考えものです。

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    年金受給額の減少…「自助努力」の裏に隠された真実

    ■「自助努力」は本当に可能なのか?

     

    「年金」制度は現役世代が受給世代を支える賦課方式ですが、すでに「支えきれていない」ことは明らか。見かねた政府は「新NISA」「個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)」をはじめ、投資による自助努力を促しています。

     

    初心者にもわかりやすく描かれた「お金が増える仕組み」を目の当たりにし、投資を始めれば安心なのか!と考える方もいますが、100万円がいきなり200万円になる……といった話でもありません。

     

    新NISAは金融庁の指導のもと、選ばれた投資信託のみで運用されます。ざっと(極めて概算ではありますが)年利は1~5%といったものでしょう。5%でも、チャレンジングな投資をしているほうです。100万円が1年で102万円になった、105万円になった……という地道な投資なのです。

     

    とくにiDeCoの場合、原則60歳まで引き出すことはできません。病気しかり事故しかり、人生いつ何が起き、まとまったお金が必要になるかわからないものです。十分な貯金がない場合は、一考の余地ありといえるのではないでしょうか。


    ちなみに、投資には「複利」という考え方があります。複利とは、簡単にいうと「元本+利息」に利息が付くことを指します。新NISAをはじめとした長期積立のメリットのひとつであり、銀行や証券会社が「右肩上がりにお金が増える」と説く一因です。

     

    ■超低金利時代の「資産形成」その第一歩は…

     

    バブル時代、銀行の利率はなんと6パーセントを超えていました。そして現在、定期預金の利率は0.01%程度となり、銀行は「お金をただ預ける場所」となりました。

     

    「それでもよい」と考えるか、「投資で増やしたい」と考えるか。預金だけしているとインフレリスクを警鐘されることもありますが、そうはいっても日本は長年デフレでした。現在も多少のインフレが見られたとはいえ、他国と比べるとその率はかなり低く、疑問視する声が多いのも事実です。

     

    資産形成について学ぶセミナーは至るところで開催されています。まずは参加するのも一つの手といえましょう。証券会社や銀行開催のセミナーでは、投資信託をすすめてくることもありますが、「帰って検討してみます」としっかり断れば、プロの情報をゲットしたうえで、無理に契約させられることもありません。

     

    SNSやYouTubeにも資産形成を促す投稿があふれています。投資の世界はポジショントーク。誰かひとりの言葉を鵜呑みにするのではなく、多様な意見を聞き、吟味し、自分に合った資産形成をすることが大切といえましょう。

     

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