(※写真はイメージです/PIXTA)

いつやってくるかはわからない親の死。日々の生活に追われてしまいがちですが、悔いの残らないようにしておきたいものです。本記事ではAさんの事例とともに、相続の事前準備について、社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子氏が解説します。

あと少しで完済、想定外の事態に

Aさんは、年金だけではローンが払えなかったので、清掃のアルバイトをしながら5年間、食いつないできました。あと少しというときに、持病の腰痛が悪化します。それでも仕事をしないと、ローンが払えないと頑張りますが、これでは負の贈り物じゃないかと弱気になります。

 

すでに他界している父に文句のひとつもいうことはできません。体調が悪いときには物事をいい方向に考えることができなくなります。そんなとき行政で士業の無料相談会があることを知り、行ってみることに。

 

「ローンの負担が多いのであれば、条件変更ができるか金融機関に相談してみてはいかがでしょうか。もしくは売却するのも一案です。債務超過であれば、任意売却という方法も。売却しても債務が残らないのであれば、通常売却することができます。お父様が亡くなっているので、いまとなってはわかりませんが、団体信用生命保険に加入していた場合は、保険金でローンを完済できるため、借金のない状態でアパートを引き継ぐことができましたよ。Aさんのことを考えてのことであれば、加入していたのではないでしょうか」相談会の担当者はさまざまなことを教えてくれました。

 

賃料内にローンの条件が変更できれば、Aさんにとってはありがたい話です。しかし、これまで父が遺してくれたのだから、父の想いを継ごうとして、頑張ってきましたが、選択肢が多すぎてどうすればベストなのかわからなくなってきました。

 

「いったい父はなにを考えていたのだろうか」Aさんは頭を抱えます。

 

父の遺品整理で見つけた日記

帰宅後、Aさんは父の生前の持ち物を確認します。父が亡くなった当時は、突然のことで荷物の整理も中途半端に、必要と思われるものを段ボールに詰めたままにしていたのです。荷物を整理しようとすると、父が思い起こされ、親孝行しなかったことを悔やんで、複雑な心境になってしまうため、後回しにし続けいままで放っておいてしまったのでした。

 

なにか残っていないかと改めて段ボールを開けてみることにしました。すると、日記帳のようなノートがあり、なにか記載されているようです。

 

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