(※写真はイメージです/PIXTA)

7月5日に公表された『2023(令和5)年 国民生活基礎調査』(厚生労働省)より、「平均給与」からは見えてこない、日本人のリアルなお金事情について見ていきます。

「大変苦しい」「やや苦しい」が過半数という現実

同調査では、日本国民の生活意識についてもアンケートを取っています。「大変苦しい」「やや苦しい」「普通」「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」の5択のうち、「大変苦しい」「やや苦しい」と答えたのは全体の59.6%。昨年の51.3%からさらに上昇しました。

 

高齢者世帯では48.3%から59.0%へ、児童のいる世帯では54.7%から65.0%へと10ポイント以上上昇しており、厚生労働省は物価高を要因とみています。

 

なお総務省『家計調査 2022年(令和4年)貯蓄・負債の概要』より、年齢別2人以上の世帯の貯蓄額について見てみると、40歳未満「812万円」、40歳~49歳「1,160万円」、50歳~59歳「1,828万円」、60歳~69歳「2,458万円」、70歳~「2,411万円」となっています。

 

老後資金2,000万円問題が話題になって久しいですが、60歳以上の方の貯蓄額を見れば、「基準値ライン」を超えていることがわかります。順当に働き続けたら、苦しい生活を抜け出して穏やかな老後を過ごせるんだ……と考えたいところですが、平均給与や所得分布を思い起こせば、惨憺たる気分になってしまうのも無理はないかもしれません。

 

物価高に加え、社会保険料上乗せや扶養控除の見直しにも注目が集まる今、「働く日本人」は岐路に立たされています。

 

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