(※写真はイメージです/PIXTA)

少子化、人口減少の過酷な日本。縮小していくであろう国内経済を見据え、令和を生きる日本人はどのように資産形成しているのでしょうか。「日本人の生活のリアル」を見ていきます。

貯金1,500万円夫婦が直面した「老後2,000万円」問題

続いて、桐本さん(59歳・男性/仮名)。フリーランスの翻訳家として働きながら、同い年の妻と夫婦2人で暮らしています。現在の貯金は夫婦合わせて1,500万円。老後への心配はないのでしょうか。

 

「私の場合、定年とかないですからね。フリーとして働き始めて10年近く経って、収入はかなり安定しています。健康だけには気を付けたいところですが、体力勝負の仕事でもないので、今後も働き続けるつもりです。年金は繰下げ受給します」

 

前述の『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]』(令和5年)では「老後の生活への心配」についてもアンケートをとっています。

 

老後の生活について「心配である」と回答した世帯は78.5%で、「それほど心配していない」世帯は21.6%となりました。なお「心配である」と答えた世帯にその理由を聞いてみると(複数回答)、「十分な金融資産がないから」が68.1%、「年金や保険が十分ではないから」が49.3%となりました。

 

「『老後資金2,000万円』には足りない貯蓄ですが、年金を繰り下げる分、受給額は増えるはずなので、その金額に期待したいところです」

 

年金受給額の平均値はいくらほどなのか。厚生労働省年金局発表『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、老齢年金が14万4,982円です。国民年金受給者の老齢年金の平均年金月額は、5万6,428円となっています。

 

老後資金について不安も多いなか、お金のプロはこんな指摘もしています。

 

“老後必要な金額というのは、「いくらの収入を得られるか」「どのような暮らしをするか」によって、家庭ごと大きく異なるということです。もし、65歳を過ぎてもアルバイトなどで3万円程度の収入を得られたとしたら、無理に生活費を下げずとも、3万円を補填した暮らしができます。さらに生活費を抑え、補填額が少なく済むようであれば、もっと少ない老後資金でも問題ないのです。

 

とはいえ、一点だけ、現状「生活防衛資金」が十分でない場合は、留意すべきといえるでしょう。

 

生活防衛資金とは、体調を崩したり、生活上必要不可欠な高額なものが壊れたりするなど、万が一の事態に対処するための資金のことを指します。少ない額からでもいいので、不要な支出を今からカットし、毎月この資金を貯金することが大切です。取り組み自体が、老後の支出を抑える生活に直結しますので、準備が早すぎるということはありません。

 

このように、「漠然とした不安」が、段階を追って「具体性を持った問題」へと変わっていけば、不安は軽減されていきます。自分の将来が不透明だったとしても、表面的な部分に飛びつき不安になるのは、本当に無意味なことなのです。”(関連記事『年金受給見込み額「17万円」、老後が不安…貯金もできてない』横山光昭氏)

 

桐本さん、高齢化社会についてこんな思いを打ち明けました。

 

「私や妻は、今からどんどん老いていきます。子どもにはもちろんのこと、世間様にも迷惑はかけたくないですが、だからといって『高齢者の自助努力』には限界がある。私は働き続けるけれど、それは単純に運がよかっただけですし、この先どう転ぶかも分からない。不安はもちろんあります」

 

「ゆくゆくは老人ホームに入るんですかね。実父を看取ったときに思いましたが、高齢者世帯の生活は本当に大変です。誰かがいつでも駆けつけてくれる状態でいないと、後々大変なことになる。老い先に楽するためにも、今はお金を稼ぎます」

 

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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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